若者を呼び込みたい地域の建前とホンネ

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地方の過疎化は単なる人口の減少だけに留まらず、年齢階層の構成比において高齢者比率が高まり、特定地域における高齢化がぐんと進行するのも特徴の一つ。自治体活動に支障が生じるし、生産者人口比率が低下すればその地域の税収、経済循環の上でも停滞化は容易に想像ができるはず。で、各自治体の行政ベース、さらにはその場に住んでいる高齢者自身において、人口の盛り返し、できれば若年層を引き寄せたいとのことで、各種施策が行われている......

......のはいいのだけど、指摘の通り、その少なからずにおいて、明言されていることはあまりないけれど、文面を透かして見ると「来てください」というよりは「●×をしてほしいので来て下さい」という感が強いものが見受けられる。

対価として提供する事柄を見ても、きれいごとには違いないのだけど具体的用件に乏しいものが多かったり、前世紀の価値観における若者像がそのままトレースされている感はある。「自分達がイメージしている、かつて前世紀において若者が果たした役割はこうだった(さらには「自分達はそうしていた」ってのもあるかもしれない)。だから今の若者にも同じことをしてほしい」的な感じだね。人口構成比やリソース配分、価値観が昔のままならそれも有り得たけれど、今はもう時代が違うし環境も異なる。それでいてなお、昔のままの価値観を若者に強要しようとしても、誰もついてこない。

「自分らが若者だった時には年上の言うことを何でも聞いてつつましく生きたものだ。だから今の若者もそうであるべきだ。でも対象が居ないので呼び込もう」との内心が出てしまっているのでは、来たい人はどれだけいることやら。

まっとうなコンサル、あるいはちゃんとその実情に気が付いている内部の人がいる、あるいは意識改革がしっかりとした組織自治体ならば、その辺を理解把握した上でさまざまな施策を打ち、招致しているのだろうし、そのような流れを感じるところもあるんだけど......。まぁ、少数派としか表現しようがないのが現状。

「人足として使いたいので来てね」と若者を呼ぼうとして、一体誰が興味を持つというのだろうか。それに気が付かないようでは、成果が上がらなくても当然の話には違いない。

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このページは、不破雷蔵が2016年1月14日 07:20に書いた記事です。

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