正式発表前にマイナス金利の話を漏らして「報道」し、ドヤ顔されても困るのですが

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先行記事でも使ったキャプチャと、その直前のキャプチャ。市場の急変と日銀の実際のマイナス金利発表との間に幾分のタイムラグがあると思ったら、日経がこのような記事をやらかしたという話が入ってきた。いくつかの不明瞭なツイートが見受けられたのだけど、この話でああなるほどそういう意味だったのね、ということが分かった次第。


「企業や当局の発表だけを報道するのは情報統制下に近い体制」と考えたので、やっちゃいけないことをやっても良いという大義名分にしている。分析や解析、専門家の見地による解説という選択肢は、そこには見えてこない。本来それこそが専門紙のあるべき姿なのに。

まぁ、人間、楽な方、コスパの高い方に逃げたくなるもの。そして分析や解析、専門家の見地による解説は大変なリソースを必要とする。大義名分や理屈付けで批判をスルーできるのなら、他紙には出来ないリークをやらかして正当化した方が、低コストで効果を期待できるからね。今件に限っても、むしろ情報統制をしているのは日経側では、という純粋な疑問もあるし。

「報道だから」「ジャーナリズムだから」といった、無敵の切り札と思っているものを濫用していると、ストックが枯渇してしまうんだけどね。使ったものは新たに補充しなければ無くなってしまうのだけど、補充できるだけの誠意ある行動を成しているのかな?

実の所、公式発表前に関係書類や資料が報道関係者に配られることはよくある話だし、合理性もある。何も権力が都合の悪い事をされないように云々っていうものじゃない。規制解除時に一斉に、不公平感無く情報が発信できるように。関係方面の混乱を導かないように。大よそ、紙媒体の発売当日の朝とか、ゼロ時とか。公知意義が高いものは当事者の公式発表と同時に。金銭周りの場合、上場企業などでは、市場の混乱を招かないようにってもある。

発表タイミングが調整されるのは、相応の理由がある。それを「情報統制」と勝手に認定して、その規律を破るのは、勘違いでしかない、あるいはワガママでしかない次第で。

今件に関してあと2つ。1つは信頼を築いた結果、リークをしましたのいうのなら ①発信側の許可の上でのリークなら、日銀関係者が重罰もの。 ②許諾しておらず、公式発表と同時に報道規制解除の内容を事前公知なら、これまで日経関係者が築いてきた信頼をすべて食いつぶしたようなものとなるのだろう。

そしてもう1つ。個人的には、非常に皮肉な話ではあるのだけど。今回も合わせ日経関係者アカウントの複数のツイートによる状況の暴露こそが、実は最大の情報漏えいではないかと思う次第。今件に絡んで今後何か問題追及があった場合、日経サイドでごまかしができなくなってしまったわけだ。

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このページは、不破雷蔵が2016年1月30日 10:07に書いた記事です。

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