電通の「日本の広告費」最新版発表・2015年はわずかに前年比でプラスへ

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広告代理店大手の電通は2月23日、2015年の日本の総広告費を発表した。前年比0.3%増の6兆1710億円と、ほぼ横ばいだった。


媒体別に見ると、衛星メディア関連を含むマスコミ四媒体広告費は2兆8699億円(前年比2.4%減)、インターネット広告費は1兆1594億円(同10.2%増)、プロモーションメディア広告費は2兆1417億円(0.9%減)で、インターネット以外はマイナス成長となった。


毎年電通が発表している、日本の広告業界の総括的な白書「日本の広告費」の最新版となる2015年分のものが先日発表された。本家サイトでの分析・精査記事は早くて来週ぐらいからになるかなあ、というところなんだけど、超ざっと見で見た限りでは、上の記事とはちょっと違った感想。総数で前年比わずかなプラスっての結果に色々と賛否両論が挙がってるけど、個人的にはむしろよく頑張ったという感じ。

前年2014年では消費税率引上前の駆け込み需要、ソチオリンピック、ワールドカップの開催等の特殊要因に底上げがあり、それとの比較となるので、多くの項目でマイナスが計上されています。無論海外経済の減退に伴う景況感、個人消費の足踏み感も伸び悩みの一因です。


2年前との値を比較すると、プラスはラジオ、テレビ、インターネット。マイナスは新聞、雑誌、プロモーションメディア。4マス中新聞、雑誌、そしてプロモーションメディアの中でも折り込みチラシやDM、電話帳など、紙媒体の多くがマイナスを示しており、紙媒体の苦戦ぶりが見て取れます。

他方、インターネット以外ではプロモーション内の「展示・映像ほか」が前年比7.7%のプラスと大きな伸び。これには従来の枠組みに収まらないタイプの広告が多分に含まれています。広告の形が多様化するに連れ、この項目に新たに該当するものが増えるため、今後も躍進していくことでしょう。


とコメントしたように、比較対象となる2014年は何かと底上げされる特殊イベントがあった関係で、それとの比較は随分と足を引っ張られる形となる。それでも横ばいに推移したのは大したもの。個人消費が思わしくない、海外の経済状況に引っ張られた中では大奮闘。

他方、中身をよく見ると、やはり紙媒体は全般的にヤバメ。4マスに限らず、他の従来型広告でも紙媒体は大よそネガティブな値が前年比だけでなく中期的にも出ている。のっけているコンテンツそのものの衰退では無く、そのコンテンツの一部がネットに流れているってことなんだろう。

まぁ、この類のものはイレギュラーな動きでもない限り、単年の動向だけでなく複数年で見る必要がある。その辺りはグラフも合わせ、また後ほどということで。

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このページは、不破雷蔵が2016年2月24日 06:54に書いた記事です。

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