順次アクセスのテレビ映像を、直接アクセスの動画と認識する世代

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何かの拍子でツイッター上にてバズって来たこの話。タイムスタンプを見ると分かるのだけど、実に6年以上前のことなんだよね。ネタ話か否かはともかく、興味深い視点ではある。

子供時代からデジタルエンタメに触れて、それが当たり前のものであるとの認識の中で時間を過ごしていると、そうでなかった大人とのギャップが生じるようになる。世代間格差(ジェネレーションギャップ)がまさにそれなんだけど、技術進歩が加速度的に早くなっているので、これまでには数世代の中でようやくその差異が生じてきたような領域のものが、十年単位で生じてしまうため、親子といった隣接世代の間ですら、大きな差異が生じてしまう。

今件ではランダムアクセス(直接アクセス)が前提の映像に慣れ親しんだ子供にとって、シーケンシャルアクセス(順次アクセス)かつ再生不可能なテレビ放送の映像など、理解しがたいのも当然の話となる。先日「テレビの画面にタッチをする子供」の話をしたけれど、まさにそれ。

世の中の時間の流れは不可逆的で、物事の摂理はシーケンシャルでしかない。時間の遡りができるのはSF映画の話のみのことであるってのを、概念的に理解できていないと、色々と問題が生じるのかもなあ、という気はするけど。スマホやタブレットを子守アイテムとして使う事例も多々ある昨今では、このような話も日常茶飯事のものとなるのだろう。「時間の流れは一方的で、巻き戻しは出来ません」的な、それこそ哲学、あるいは松尾芭蕉の「奥の細道」にある「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」的な話を教育課程で教える必要が出てくるのかもしれない。何しろ人は基本的に、教えてもらわなければ物事の摂理もまた、分からないから(経験して理解すれば話は別だけど)。


これは確かにその通りで、すでに音楽界隈ではランダムアクセスが当然のものとなり、シーケンシャルは過去のものとなっている。カセットテープを見せても首を傾げる人も多いだろう。......ってよく考えてみたら、録画のビデオもすでに、DVDやBD、HDDはランダムアクセスで、シーケンシャルのビデオテープは過去のものになってるな。

あと数年もしたら、シーケンシャルアクセスの概念そのものが多分に忘れ去られてしまうかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2016年2月 2日 07:10に書いた記事です。

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