リトマス試験紙はその結果を有効に使わなければ逆にダメージが広がっていく

誰もが自由に自己を主張でき、多数に認識してもらえる手段としてのソーシャルメディア、特にFacebookやツイッターがある程度以上浸透したことで、大学の管理運営側にとっては、自大学にとって(そして大学という業界全体にとって)好ましい、支えるに値する教授やそれに類する講師であるか否かを判断できる、よいリトマス試験紙となるに違いない。肩書とは無関係と自称しても、どうしても地が出てしまうし、あるいは自分の肩書や地位を悪用し、何かをやらかす気配を見せてしまう。本心が暴露される。

信仰、心情の自由は当然あるし、保証される。一方で、肩書や権威を悪用される事例に対しては、その権威の管理側は適切な対応を取ることが求められる。そうでないと権威全体、組織そのものがその品質を疑われてしまうからだ。例えばコンビニ大手の名を用いたフランチャイズ店が乱暴狼藉を繰り返し、出鱈目なビジネスをしていれば、当然本社からのペナルティはあるし、除籍、さらには賠償請求も成され得る。ルールを守っているからこそ、肩書を用いることは許される。

しかし現状では、そのリトマス試験紙が有効に使われているとは言い難い。反応結果を放置するどころか、その(問題となる)結果の放置を決め込んで、それが所属大学、しいては該当分野界隈、さらには大学全体の権威の失墜に寄与してしまっているのが現状。管理統制が行き過ぎるのは問題だけど、それを逆手にとってやりたい放題をしているように見える。よく挙げる「グレーゾーンの悪用」的な。

そして「悪反応」を示す教授は得てしてその反応を、より多くの人に知らしめようとするので、余計に目立す。結果、該当分野の、大学の権威がごりごりと削られている。政治に顔を突っ込んでかき回している先生が大勢おられる、今件事例も含めた社会学や、憲法論関連が良い例かな。先生と呼ばれる立場の人たちの実情が暴露され、それが放置されることで、当事者だけでなく、その界隈全体まで、本質のありようを疑われる。何も反応が無い、ペナルティを受けていないということは、あの教授先生の行動は大学が、該当学界隈が公認しているの？ 世間一般の人はそう思ってしまう。

例えるなら、食中毒の陽性反応が出たにも関わらず、適切な対応をせずに、その反応結果をお店に掲げておいたままの状態。そのようなお店を誰が信頼できようか。

昨今の大学に絡んだ不信感の一つは、この辺りにも起因しているのではないかな、というのが個人的感想だったりする。自浄効果が認められないわけだからね。