苦い薬を飲んで「チョーにげぇぇぇぇ」と絶叫している男性の絵は実在する

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先日ツイッター上のタイムラインに上がってきた、ステキナイスな絵。最近ではこんな感じで昔風に描かれた絵でも、実は現在の描き手がそれっぽく描いた、あるいはパロディとしてトレースしたものもあるので、すぐに鵜呑みをするのはリスクがあるけれど、それでもこの表情はとてもステキ。思わず叫んだ「にげぇよこれ」という声が絵からじわりと伝わってきそう。


で、調べてみたら実在した。17世紀に活躍した画家アドリアーン・ブラウエル(Adriaen Brouwer)氏によるもの。

ブラウエルはフランドルとオランダの居酒屋で時を過ごしたと言われている。彼の作品はその典型として詳しく描きこまれておりまた小さく、人間の感情を探るための手段として乱痴気騒ぎ、酔っぱらい、愚かさを、五感に基づく痛みと恐怖とに反応することや、それを表に表すことを描いている。『苦い薬』はそのような反応を描いた作品であり、味覚を描いている。

なんだか直訳的な日本語の解説だけど、要は庶民の日常生活におけるさまざまな感情をありのままに描いているということかな。特にネガティブ的な感じの衝動の瞬間が、写真に撮った情景の切抜きのような形で絵に収められている。


これなんか良い例。日本語のタイトルは「カード遊び」だけど、どう見てもゲーム中に何かトラぶってケンカになった状況でしかない。後ろの方に居る老夫婦(?)が眺めている様子も合わせ、非常によく状況が描かれている。躍動感あふれる瞬間ってのかな。

この類の作品に出合えるのって、多分に偶然によるところが大きいのだけど、それゆえに出会えたことには感謝をしたいものだな、うん。

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このページは、不破雷蔵が2016年2月16日 06:20に書いた記事です。

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