もしかして一回書いたかもしれませんが、「百円ショップ」というものがあるおかげで、私たちは「安物」とは何か、安物買いの銭失いということわざは実際にはどういうことか、どういうものが安物で済ませられて、どういうものは済ませられないかを、学習できている気がします。
— 大西科学 (@onisci) 2016年2月27日
今では税込で108円、例のローソンストア100の歌も「ごめんねぜいこみひゃくはちえん」に律儀に直されていたりする、100円ショップの類。他にもキャンドゥとかダイソーなど複数企業がチェーン展開しているし、中には300円ショップとか500円ショップなんてのも登場している。
それらのお店のラインアップを見ると、多種多様な商品が値段を維持するために、色々と工夫をしていたり、発想の転換的な切り口を見せてくれたりと感心させられるのだけど、同時に残念に思う経験も多々ある。一つ例を挙げるとボールペンの類。数本で1セットになっているものは、大よそインクがすぐに出てこなくなる。インクそのものは入っているのだけど、ボール部分の機構に決定的な問題があるらしく、紙の上で走らせてもへこみが生じるだけ。結局、1本数百円のまっとうなものを調達した方が安かった、なんてこともある。
これらの経験をしておくと、指摘されている文言も大いに理解できる。単なる値段が安いだけではなく、品質との兼ね合わせ、コストパフォーマンスの観点から見た「安物」とは何かを知れるし、値段だけで釣られて手を出して失敗してしまう「安物買いの銭失い」の実体験もできる。一方で価格相応のもの、アイディアなどが勝っていて価格を超えた価値を提供してくれるものも少なくない。そこからは「安物で済ませられるもの、済ませられないもの」の見極めを磨く経験が得られるし、値段は安くても単なる「安物」ではなく、安くても良いものとしての価値を見出す事ができる。
そう考えながらこの類の店を巡ると、これまでとは違った商品との接し方を楽しめるに違いない。いや、デパートやコンビニでもできるのだけど、百円ショップは価格が原則100円なので、その制限の中での選りすぐりばかりとなるから、価格制限の中でのせめぎ合い的なものをも堪能できるのだよね。食品周りは特にその傾向が強いんだな、これが。
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