パソコンは何かをしたいから道具として使っているのであって、パソコン自身を使うのが目的では無い

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何か禅問答のようなタイトルとなってしまったけれど、昨今話題のマイクロソフトによる「どうしても是か非でも何が何でもWindows10にアップグレードさせたいさせねばさせないと夜も安心して眠れないのでお前らの端末に片っぱしからアップグレードさせちゃうぞ作戦」に嫌気が差し、OSをWindowsではなくマックに移行したいと考えている人もいるという話に絡め。

結局利用環境ががらりと変化してしまうし、OSどころか本体の買替さえ求められる状況が多く、さらに各種ファイルのアップデートもむしろマックの方が非対応となるのが早いので、容易に乗り換えるのは考えた方がいいよ、というもの。なんかこの類の話も定期的に話題になってるなあ、という気はするけど。隣の芝は超青いというところかな。読んだ限りではむしろ、昨今の「10の半ば押し付け」でWinからマックにシフトすると、余計に悩まされる感はある。


で、今件から話が波及する形で。結局多くの人はパソコンそのものを使いたいってのは間接的理由でしかなく、直接の目的・使用理由は、同じような環境で同じような作業をしたい、生成物を構築したいってところなんだろうな。まさに「今やれていることで充分」「同じことをしたいのに操作方法を覚え直す二度手間をしたくない」。ゲームで同一シリーズを次々に手に取りたくなる、ワープロ系ソフトは同系列の最新版への切り替えで他のソフトは使いたくない、携帯電話やHDDレコーダーなども同様。ツールとして使いたいのだから、新しく覚える必要があること、つまり余計な手間はできるだけ避けたいし、これまでの経験や慣れなどの蓄積はできるだけ活かしたい。

無論、バグや安全性、安定性の改善などにおける手当はありがたい話ではあるけれど、操作性までぐいっとかえる必要は無い。Winからマックへのシフトは一考した方がよいとか、7や8から10への移行を多くの人が避けるのも、結局そこにある。後者は対応していないアプリが多々あるので、「ツールとしての利用価値が下がってしまう」ってのも大きいのだろうけど。

売り手としては目新しさが無いと注目されない、少なくとも広報展開の際にネタが無い、さらに内部的には上層部のOKが取れないってのもあるのだろうけど。操作性を極力維持し、互換性も多分に確保した上でのアップデートってのは......やはり難しいのだろうな。既存のソースをいじくりまわしているとごちゃごちゃになるし、一から再構築して似たようなものを作るぐらいなら操作性なども含めて全部新しくした方が分かりやすいから。

でも、例えば、東京から仙台に定期的に行き来するために新幹線を定期購入して利用していたのが、もうちょっと早くなるからと新技術で開発されたロケット列車への利用を強要されたり、その際に新たに宇宙服の装着が求められるとか、専用駅までの行き来が面倒になるとか、これまでスムーズに使っていたものが一から覚え直しとなると、やはり「このまま新幹線を使わせてくれ」と言いたくなるのは理解ができる。

この辺りはビデオや先日のエアコンと同じなのかなあ、という感もある。

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このページは、不破雷蔵が2016年3月15日 06:39に書いた記事です。

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