高齢者医療費が無料から低額の定額負担、そして1割負担に引き上げられた際、その上昇によって該当者における医療健康状況の変化(健康度合いが落ちた、あるいは上がった)に関するデータはあるのかしら。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年3月14日
ここしばらく消費税率絡みの話が色々と騒がしくなり、税負担やら租税効率問題の話とも合わせ、当方の本家記事がいいようにも悪いようにも誤解釈のネタとしても使われる機会がちらほら出てきて、ドキマギしたり冷や汗かいたり突っ込みしたくなるような心境をいだきつつ、極力触らないようにしている状況だったりする。下手に手を出したらきりがない。
で、それらのやり取りを見ている中で、ふと思った事。いや、もやもやっとしたレベルの想いは以前からあったのだけど。消費税は大義名分としては「景気に左右されない安定した税収確保のための仕組み」とあるけれど、ならば所得税や地方税などをがっつりと減らし、消費税に対する割合をもっと増やせばよいまでの話。一般消費者の心理的圧迫感が強くなるのは必至で、「景気に左右されない税収」を確保するために、景気そのものを落ち込ませることになり、本末転倒になりかねない。
もう一つ理由として挙げられているのが、公正な税負担。老いも若きも金持ちもそうでない人も、一定の消費はするのだから、それに対する租税は公正になるはずだとの意見。何をもってして公正とするかの論議にシフトすると手が付けられなくなるけれど、収入が少なく貯蓄の切り崩しで生活をサポートしている高齢層からも一定の税収を得るという観点では、消費税の切り口は間違っていないように見える。でもそれで壮齢層までにも同じ負担が与えられ、経済が縮退したのでは意味が無い。
高齢者からも公正に徴収を行うのなら、現在不公平な状態のものを公平にした方が、現役世代のへの負担は軽くなるのではないかな、算盤勘定を別の方向に向けてみては...というのが、医療費周りの話。
かつて高齢者医療費は無料だったけれど、それが低額の定額負担となり、そして1割負担に引き上げられた経歴がある。すでに忘れている、知らない人も多いだろうけど。これらの流れの中で、どれだけ税収面で変化が生じ、そして医療健康状況に変化が生じたのか、何かデータは無いのだろうか。
負担面での超弩級優遇が超優遇となり、それが優遇措置となった際に、個人の負担が重たくなったので入院・通院がし難くなり、結果として健康状態が悪化したとか、逆に健康になった的な調査は特にないように見える。負担面での変更で確実に財政面では公正化・健全化にシフトしているけれど、それに対する医療結果の実情はとんと聞かない。寿命が延び、各種医療の成功率が上昇している点を見るに、「負担が重たくなったから健康面で悪化した」的な話は無いように見える。
気軽な医療は便利には違いないけれど、それをサポートする側にもしっかりと費用が発生しており、その対価を誰が払うのかという問題が忘れ去られがち。でも今や、それが無視できるようなレベルでは無くなっている。また、ハードルが低すぎると濫用されるリスクもある。過剰な薬の受取り問題も良い例。
中小企業や個人に大きな負担増となった定率減税の撤廃を鑑み、定率減税を再実施。消費税率5%への引き下げ・あるいはゼロ措置の断行。これで景況感は随分と持ち直す。そして社会保険料比率の一律化(逆にむしろ、子供に関してはもう少し引き下げても良い)。色々とそろばん勘定は合い、かつ景況感の回復にもつながるような気がする。実際にはもう少し計算をしてみる必要があるのだろうけど。
ともあれ、優先順位は将来を見据えた上で決めるべき。苗床を、種もみを食べてしまったのでは先へ歩む希望は生み出せないからね。
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