「とある定食屋は日替わりメニューを出していた。店主がTwitterを始め、"今日の日替わり定食は◯◯です!"とつぶやくようになったら売上が目に落ちて減ってしまった」という行動経済学の話がある。さあなぜでしょう
— tetsu (@metatetsu) 2016年3月23日
具体的な店名が挙げられていないので、あるいは単に仮説の店舗でのお話であり、実在しない可能性は否定できないのだけど。理詰め的な話としては十分に理解できるし、実際に似たような手法をしている店舗を複数見かけているので、実店舗の例はどうなのかなあという感もあるお話。
日替わりメニューの内容に関して不特定多数に事前に分かるような形で周知をした。サービスのため、利用客の便宜性を図るためだったのだが、結果としては売り上げが落ちてしまう。なんでだろう。
@metatetsu 「ハズレ」のメニューの日には客が来なくなったのでしょうか?それまではなんとなく行ってなんとなく日替わりを頼んでた層がハズレのメニューの日には他所へ行ってしまったとか。
— A.C.?NO NUKE,NO LIFE (@AerospaceCadet) 2016年3月23日
@AerospaceCadet その通りです。昼休みでとりあえず来てみて「んーあまり今日のは好みでないな。でも来てしまったし他を回る時間も惜しいからこの中から選ぶか」という層が「今日は好みでないから行かなくていい」とハズレの日は最初から他の店に行くようになってしまったのです
— tetsu (@metatetsu) 2016年3月23日
正解はこちら。日替わりメニューは来店してはじめて分かるサプライズが一つの売りであり、それを求めて来店する人を期待する集客アイテムでもある。そのサプライズが失われると、来店してからの選択ではなく、情報を取得した時点での選択が成されるため、来店動機が失われてしまう。結果として、これまで「とりあえず来店して日替わりを確認。好みに合わなければ我慢するか他の普通のメニューを」としていた人が、「ネット上で日替わりを確認。好みに合わなければ他の店に」となってしまった次第。
もっとも、該当する店舗の集客力、商圏が広ければ、そして日替わり定食の内容の魅力について特段高いものを維持できれば、「日替わり定食の内容をネットで見て来店パス」した人よりも、「日替わり定食の内容をネットで見て来店決定」の方が増えることになるから、逆に売り上げは伸びることになる。ただし飲食店の類は概して常連が使うので、よほどのサプライズメニューで無い限り、第三者がその日替わり定食のためだけに足を運ぶことはない。だからリピーター、準リピーターの人達のハートをいかにキャッチするかを考えると、情報の開示はネガティブな結果を招きやすい。
この店にとって内容が分らない日替わり定食は、来客動機の大きな要素であり、魅力でもあったわけだ。これは「来店購入者のみのヒミツの絵柄のリーフレットプレゼント」などと構造は同じわけだね。
人の行動様式はかくも面白い次第ではある。
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