テレ朝の「引きこもり問題」番組も「問題無し」判定でBPOの存在意義は皆無であることが改めて分かった

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引きこもりの経験者らがテレビ朝日の番組「ビートたけしのTVタックル」を巡って報道倫理にのっとった放送をするよう共同声明を発表した問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は8日、「放送倫理の問題として取り上げる理由はない」と結論付けた。

昨今に限っても茨城県の水戸光圀公を使った地域へのバッシング、そして何よりSMAP問題をシロ判定したことで、BPOの存在意義が首を360度ひねるぐらいに傾げてしまう状態ではあったのだけど。先日話題に登った、テレビ朝日における引きこもりに係わる放送においても、シロ判定をBPOが下した。それどころが関連委員からは「番組のビデオや報告書の提出を求める意見はなかった」とのことで、問題意識を有する委員が皆無であったことも明らかになった。

BPOの存在意義が皆無であることはSMAP問題ですでに暴露されていますが、改めてという感じでしかなく、事実の裏付けというよりはカンストした後もさらにポイントが積み重なる感じ。それと同時にBPOに限った話ではないのだけど(先日から問題視されているゲームアプリのガチャ周りも同じ構造)、第三者、あるいは公的機関からの規制を避けるための、自主規制的業界団体の存在が、得てして無意味となることの良い例になっているなあ、という気はする。

これはグレーゾーン周りの話にも通じていて。グレーゾーンでちまちまとつまみ食いしていると、ホワイトエリアで頑張っている人がツッコミを入れてきたり、全体としての状況がカオスになるのを望まない公的部分による規制が設けられる可能性があるからと、グレーゾーン部分における取扱いについて「自分達でルールを創ります。乱獲はしません。グレーはちゃんと自分達で判断してお痛はしません」と宣言し、自主規制的な業界団体を作ることになる。「良い子にしているから決まりを作ったり怒らないでね」的な。

でもよほど高い志を持つ人が動かしているとか、しっかりとした仕組みが無い限り、大抵はお座なりな結果になる。自主規制業界団体は、同時に利権団体でもあるからね。その辺りの危険性に気が付き、逐次身をたださないと、あっという間に腐敗し、旧態依然、羊頭狗肉、張子の虎状態となってしまう。

今件も結局、BPOが実質的に機能していないことの証明でしかない。そしてBPO自身を監視管理規制するものが無い以上、よほどの幸運が降って来ない限り、さらに無意味化するのは目に見えている。その状態の危機感に、どれだけの関係者が気がついているのかな。

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このページは、不破雷蔵が2016年4月10日 07:30に書いた記事です。

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