落ちたお薬のひとつぶにも色々な人の想いが、労苦が込められている

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先日の医療費やらお薬代やらに絡んだお話。健康保険をはじめとしたさまざまな制度のおかげで、よほどのことが無い限り、お医者様から処方してもらうお薬のほとんどは、本来の対価の数分の一で取得することができる。薬局などで販売されているOTC医薬品(大衆薬、一般医薬品)は処方箋によるお薬と比べて効果が薄いものも多いのに価格が随分と高めなのを知っていれば、なんて安いんだろうってのは十分に分かるはずなんだけど。

これはお薬代に限らずの話で。人は慣れを覚えてしまうと、それが当たり前のものとなり、ガイドラインなり平均点が思いっきり下がってしまう。インフラ周りの便益を享受していると、定期的に思い返さない限りは段々と慣れ、それが当たり前のものとして、不満を覚える臨界点が下がるのと同じ仕組み。

さらにいえば最初から「当たり前」の環境で育っていると、その実情、背景、支えている物を知る機会はないのだから、横柄さを覚えてしまう。知らなかったは仕方がない。覚える機会を得て、その上で学べばよい。その意味では今件は、説教を受けた子供の側にも良い経験になったのではないかな、と思う。何しろこの類の話って、幼稚園などでは教えることはありえず、小学校以降でも果たしてあるのか否か、ちょっと疑わしいところもあるからねえ。

整備されているサービスを享受する事に、躊躇する必要は無い。権利は大いに行使して、その便益を受けるべき。一方でその環境がどのような形で提供されているのか、誰が支えているのかは、折に触れて学び、教えてもらうべきではある。さもなければ人はいつしか横柄になり、リソースは一層無駄にされ、環境を整備する人達の労苦は増え、報われなくなる。

......まぁ、子供なら教え説くことで学習してくれるのがまだ幸いではあるのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2016年4月 4日 06:38に書いた記事です。

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