若者が自動車を持たない傾向。理由はお金が無い。以上。

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日本自動車工業会が8日発表した2015年度の乗用車市場動向調査によると、車を保有していない10~20代の社会人のうち購入の意向がない層が59%に上った。理由は「買わなくても生活できる」のほか、「駐車場代などお金がかかる」「お金はクルマ以外に使いたい」と経済的な回答が多かった。

記事題名だけで主旨が説明し終えてしまう、身もふたもない話ではあるのだけど。日本自動車工業会が定期的に行っているこの調査、数年前に精査した時も数字の違いはあれど大よそ似たような結果が出ていたし、他の類似調査でも特段違う結果は出てこない。若者が自動車との距離を置いているのは、お金が無いから。色々と便利になっているので相対的に必要性が低くなっているし。地方では自動車の必要性が上昇するので購入する比率は増加するけれど、やはりコストの問題があり、軽自動車に傾注してしまう。


買いたくないではなく、買えない。なので買う意欲も無くなってくる。最初から意欲が無いのではなく、それを想起させる元本が無いだけ。色々細かい副次的要因はあるけれど、結局はこれ。小遣いを渡さない子供に「何で自分のお金でおもちゃを買わないの」としかっても意味が無いのと同じ。購買意欲の低下は問題じゃない。意欲を想起させる源となるお金自体が無いのだから。


若年層における「お金が無い」ってのは現状だけの話では無い。現状だけなら「ローンを組んで買えばよい」とする意見もあるだろうけど、将来に向けた可処分所得上昇の機運が薄い、あまり期待できない状況なのが現実。現状だけでなく、未来においても「お金が無い」的な雰囲気が蔓延している。終身雇用制はどんどん無くなっていき、社会保険料はボンガボンガ上乗せされる。職の上でも年上ががっつりと詰まった状態で上には登りにくい。オマケに年上の人は呪詛のごとく「日本はダメだ」「脱成長」と語りかけてくる。これでは内に構えてしまっても仕方がない。

恐らく自動車関連の業界の中でも、一部にはその辺りの事情まで理解している人もいるのだろう。でもそれをいっちゃあおしめえよ、的な話なので、あえてその結論は出していないのではいなかあ、という感もある。


ちなみに今調査は自動車周りが中心だけど、それ以外にも消費者性向、特に若年層の考えに関して、色々と興味深い調査項目がある。機会があれば精査することをお勧めしたい。当方もやりたいけどねえ......1日48時間ぐらいあればできるかな、というところ。

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このページは、不破雷蔵が2016年4月11日 06:21に書いた記事です。

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