あなたの周囲の人で、あなたに対して親切な忠告や批判はしてくれるが、いっこうに褒めない人、というのはいるでしょうか。その人が上司であれ、先生であれ、友人であれ、その人はあなたの害にしかならないので、距離を取るのが最善です。自分が忠告する側に立つことが多い年齢になり、自戒しています。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年4月12日
インターネット、中でもソーシャルメディアの普及で創り手側と受け手側のハードルが低くなり、情報のやり取りが容易になった。これ自身は決して悪い事では無い。けれど、これまでできなかったことができるようになると、当然弊害も生じてくる。その一つが今件指摘されている話。元々この類は口頭レベルでもありえたものだけど、ネット経由で不特定多数の人からなされる可能性が出てくると、その体現化は非常に高い確率となる。
距離を置く。この方法は色々。文筆家などにおける読者の意見なら「見なかったことにしよう」が一番だし、「こんな意見もあるのね」程度で流してしまうのも。昔からのネットスラングで受け流すことを意味する「ハイハイワロスワロス」とか「お前の中ではな」は、実のところ賢い手法の明確な表現だったわけだ(無論、自分にとって価値のある内容ならば真摯に受け止め、今後の改善に役立てるべきだけど)。
人に忠告や批判をするのはたやすいが、褒めるのは難しいですね。「お世辞に聞こえても困るし」とためらったりする。でも、こちらが大いに褒めたつもりでも、相手としてはあまりそう感じないこともあるので、褒めすぎるぐらいでちょうどいいのだろう、そんなふうに考えています。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年4月12日
純粋に褒めることとお世辞との違いは、「その理由を言えるかどうか」です。「○○ですね」と褒めて、「えっ、なぜそう思うのですか」と聞かれたら(実際には聞かないにしても)、「なぜなら......」と続けられるか。ちょっとした理由でも、それがあれば、きちんと褒めている感じは伝わるはずです。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年4月12日
褒めるのは難しい。感想文でも大抵はネガティブな話。ポジティブなエネルギーはなかなか言葉にできないけれど、ネガティブなものは容易に体現化できる。また、人は褒める言葉をあまり持っていないことが多いから、その表現が単純化してしまい、こんなものでいいのかとしり込みしてしまう。単におべっか、お世辞を語っているだけと思われてしまわないかと、躊躇してしまう。読書感想文が苦手な人は、特にその傾向が強い。
純粋に褒めることとお世辞との違いの部分は大いに納得。褒める場合はその理由がある。お世辞はまず相手を持ち上げるのが一義となる。
作家、わけても締切りやら各種の事情に追い詰められて仕事してる作家ってのは非常に神経質な生き物です。特に言葉に神経質になる。そりゃそうだ、単行本の終わり近く、ここまで積み上げてきた話やキャラが台詞ひとつで崩れるかも知れないし描写ひとつで台無しになるかもしれない。
— 笹本@星のダンスを見においで発売中! (@sasamotoU1) 2016年4月12日
だもんで、作家は自分で書く文章、キャラの台詞を神経質に検証し、全方位に考証してこれで大丈夫か、行けるか、失敗してないか、びくびくしながら原稿を書きます。つまり、言葉に対する感度が以上に繊細に敏感になってるわけです。この状態で罵詈雑言浴びせてごらん。そらもー簡単に壊れるから。
— 笹本@星のダンスを見においで発売中! (@sasamotoU1) 2016年4月12日
プロでやっていけるくらいの作家の言葉に対する神経の敏感さ、繊細さ、余計なことまで考証しちゃう考えすぎってのはこりゃもう職業病なんで治りません。普通の人が挨拶代わりにちょいと叩いたくらいでも、全力で殴られたくらいに感じたりするわけですよ。しかもぐじぐじ考えちゃう。
— 笹本@星のダンスを見においで発売中! (@sasamotoU1) 2016年4月12日
なんで、特にクリエイター志望の人、プロでもそういう状況に慣れてない人は、そういう事情を考慮しない人の言葉の暴力を意識して避けましょう。目を逸らしましょう。無視しましょう。繰り返すが作家ってのは言葉に敏感だから、投げられた言葉の威力を自分で増幅しちゃうの。
— 笹本@星のダンスを見においで発売中! (@sasamotoU1) 2016年4月12日
ネットに限らず、作品に対してどんな感想言おうとそれは見た人の自由です。見てくれたんだから好きな感想言えばよろしい。だけど、作家側はそれを誠実に全部受け止める必要はない。作家の仕事は感想を聞くことじゃなくて次回作作ることなんだから、それ以外の作業はすべて邪魔だと思ってよろしい。
— 笹本@星のダンスを見においで発売中! (@sasamotoU1) 2016年4月12日
心に棚を作れ(マルC島本和彦)ってのも、作家業続けようと思ったら必要な資質よ。やる気が出るような感想なら嬉しい。でも、仕事の邪魔になるような罵詈雑言には堂々と耳を塞いで目を逸らせ。少なくともそういうこと言う人は見てくれてる客だ。今回駄目でも、次回作で満足させるようがんばろう。
— 笹本@星のダンスを見においで発売中! (@sasamotoU1) 2016年4月12日
ちょうど同時期に同じような話が挙がっていたので、合わせて。創作系の人達には特になるほど感を覚えさせられるに違いない。当方も記事周りで似たような体験をグロス単位でしたことがある。キャラクタのセリフとかは関係ないけどね。スルー力ってのはホント、大切なんだろうなあ、と。「作家側はそれを誠実に全部受け止める必要はない。作家の仕事は感想を聞くことじゃなくて次回作作ることなんだから」の部分には、思わずはっとさせられた。そうだよね。なすべきことを違えてはいけないのだよね。
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