熊本地震 翌日の現場で記者が見たもの「地震対策ストッパーなんて役に立たない...」 https://t.co/MVl6b2eEOE 「タンスとかを留めていた地震対策のストッパーなんて、何の役にも立たない。全部吹き飛んで、倒れてきた。避難所にも行ったけど寒くて、とても寝られない」
— 眠る羊 (@sleep_sheep2010) 2016年4月19日
当方もこの記事は多分に首を傾げるところがあったのだけど、その違和感は当方だけのものでは無かったことが分かり、ちょっと安心。元々アエラの記事であり、掲載も朝日新聞ドメインのものだけに、報道としての価値のレベルは期待できないものではあるのだけど。
掲載本文を読めば分かる通り、内容としては熊本の震災で住宅の多くが崩れ、特に木造住宅において耐震性を軽視していた人が多かったという話。元記事は写真がメインのものだろうからこれでもいいんだけど、文章中心のこの類の記事として再編集されると、いかにも内容がすかすかなのが分かる。
それはさておくとして。この内容でなぜタイトルが「地震対策ストッパーなんて役に立たない」となるのかが首を傾げるところ。確かにこのセリフは住民の一人が語ったものとされているけど、前後を合わせて読めば、その言葉が愚痴以上のものではない事が分かる。にも関わらずこのようなタイトルにすると、記事の内容そのものがぼけてしまうだけでなく、地震対策ストッパーそのものが意味の無い、無意味なものであるとの印象まで与えてしまう。
震度7の建物が倒壊するような揺れに家具ストッパーが外れるなんてのはある意味当たり前で、倒れるのをどれくらい遅らせたかとか震度6ではどうかというようなところに言及するのがメディアの役割じゃないかと思うんだが、そこで「役に立たない」を見出しにしてしまう朝日のセンスのなさ(´・ω・`)
— 蒼炎の魔王ベトマックス( ●―● ) (@zakmustang) 2016年4月19日
指摘の通りで、地震対策ストッパー、家具ストッパーは、それで完全に防げればそれに越したことはないけれど、それが無理な状況でも(そしてそれは往々にしてありうる)、初動での対応ができる余裕を設けるための存在でもある。まさに防波堤、堤防と津波の関係のようなもの。にもかかわらず、その辺りの話を吹き飛ばしたようなタイトルの付け方は、イエローペーパーとしては適切かもしれないけれど、報道向けの記事としてはあまりよろしくない。センスが無いというよりは、軸がずれている。......そもそも写真週刊誌的な報道週刊誌の記事を、そのまま新聞そのものの記事と同じような体裁で、同列に見せるかのように掲載する事自体が間違いなのだけど。
それとも、家具ストッパーで建物まで全部頑強にできるとか、建物自身が崩れ落ちてもストッパーがあるので家具だけは立ったままでした、的な状況を期待しているのだろうか。それができなければ家具ストッパーは無能だと評価したいのだろうか。
@Fuwarin 本来はここから「家具ストッパーが正規の使われ方をしていたのか」の調査と啓発も必要のはずなのですけどねぇ https://t.co/nR1eQDwFhA
— 島風 那智 (@nachi_shi) 2016年4月19日
これも指摘の通りで、むしろこのような話がベースにあれば、そこから「家具ストッパーの正しい存在意義と、正しく使われているか否かを確認しよう」的な方向に持っていくのが筋というもの。何か根本的に軸がずれている感じがするんだよね。伝え手側の。あるいはゼロリスク論的な香りもする。
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