災害情報を名乗り、真実を探す云々と語るサイドが、エンゲル係数を呈して叩きを行う動きが確認出来ました。エンゲル係数の増加と社会保険料の圧迫感 https://t.co/WfHptFsI9q など以前に何度か言及していますが、エンゲル係数は生活の質の指標としてはぶれが大きくなってます
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月15日
先日本家サイトの【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2016年)(最新)】内のグラフを用い、エンゲル係数が急上昇している、生活は急に厳しくなった、だから政府が悪い社会が悪い今度の選挙に向けて云々という話がちらほらとソーシャルメディア上に挙げられるようになった。
記事本文でも書いてあるけれど、エンゲル係数が生み出された当時と現在とでは随分と社会環境は変化してるし、ここ数十年、さらにはここ数年の間でも、数字周りで多分な違いが生じるようになってしまっている。エンゲル係数が消費支出に占める食料費の割合を示す値に違いは無いけれど、それがそのまま生活の質の高低を示すとは言い難くなっているというのが実情。
食の種類性向、高齢者世帯の増加(消費性向の違いに加え、収入が低いので指標は大きくなる)、さらには中食性向の急激な進行が大きな要因です。中長期的には社会保障費の増加に伴う消費支出の増大も要因ですが。また、食へのコストが贅沢、生活の質の向上につながるとの発想も。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月15日
さらに。以前も言及しましたが、わざわざ「真実」等と語るあたりはお察し事案で。もしかすると一両日中にトゥギャッターなり悪質系まとめサイトでまとめられる可能性があり、その際に当方サイトの図表が使われるかもしれませんので、あらかじめ予防線を張った次第です。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月15日
また、ここ一、二年ですが、中食を支える大きな柱となるスーパーもコンビニも、月次の業界レポートで特記事項として「中食伸びてるよ」的なコメントを挙げています。年齢層を問わず、中食への利用が増え、それに応じて店側もレパートリーを増やしてます。PBを中心に。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月15日
数年前と今とを比較すれば、スーパーやコンビニの惣菜、中食系食品は随分と充実しています。思い返してみればすぐに分かりますね。さらにコンビニの展開強化で商用エリアも拡大。量の調整もしやすい事から高齢者の利用も増しているのです。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月15日
この辺りは一部を以前 中食の増加が食費底上げの原因なのかなあ、という感じ https://t.co/njEHKFaOpD でもまとめました。課題が積み上げられているので手が付けられませんが、将来は詳しく分析したいテーマの一つでもありますね。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月15日
詳しくは上で述べたさまざまな条件の変化に伴うもの。特にスーパーやコンビニの業界発表による月次業界売上レポートで、繰り返し「中食順調」とのコメントが出ているし、実際にスーパーやコンビニに足を運べば、中食系の食品、PBを中心とした冷凍食品の盛況ぶりは認識できるはず。また、高齢者の利用が増してきたってのも大きい。ただでさえ人口構成比で増加中、しかも食にこだわりを持ち高いエンゲル係数が発生しやすい高齢者の割合が増えていて、その高齢者が使う度合いが増えているとなれば。
この辺りは色々と資料をまとめて体系立てて、一つの論説的な記事をつくりたい所ではあるのだけど。正直手探りの状態ではあるし、リソースの配分が行き渡らないのが実情。覚書のメモは増えているのだけどね。
ともあれ。今の日本ではエンゲル係数は、単純に食の傾注度を示すものであり、生活の苦しさを示す指標としては今二つぐらいであることは知っておいた方が良い。指標云々というのなら、その中身(食されているもの)にもスポットライトを当てた方がよいのだよねえ。
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