デフレ不況が続くとおかしな商慣行が当たり前となってしまう

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諸般の事情で元ネタとなったツイートは省略するけれど、概要としてはイラストレーターの人が新規に仕事を受注しようとして相手と折衝していたら、その相手の契約条件が「作品の原稿料は払えないけれどうちで掲載すれば有名になれるから、その時の書籍化やグッズで報酬得てね(恐らくはその時も正規の版権料計算になるのだろう)」「契約したら第三者からの仕事は受けないように。依頼があったらうちを経由して4割マージンね」といった感じだったとの話。それに係わるあれこれ。

「実話」とはあるけれど真偽性を確かめるすべはない...のだけど。似たような話は当方もネット経由で何度か直に、そしてスパム的な営業メールならば結構高頻度で受けるので、「一部改変はしてるかもしれないけど、事実だろうなあ」というのは分かる。

発注しようとした側の発想としては、「こんな条件だと恐らく受けてもらえないだろうけど、受けてもらったら超ラッキー。俺様の成果として認められるじゃん」的なギャンブル思考の可能性と、もとよりこれが常識だと思っており仮に「これは酷い」と指摘しても「なぜ? これが当たり前ですよ」と逆に首をかしげるだろう可能性。そして後者の方が割合は高いのではないかな。そうでなければ該当営業担当の能力が疑われる。

指摘の通り多様な条件にもよるけれど、本来受注と発注は対等な立場であって、王様と下僕のような立ち位置では無い。それが理解できていない、あるいは発注側の肩書、権威におぼれてしまって、自分はエライ的な感覚で物事を進めようとしてしまう。


メディア側が発注元だと、このケースは特に多い。メディアに出してもらえるから、それだけで十分宣伝になるし、普通の人はあり得ない恩恵なのだからそれで報酬は十分でしょう、的なものがある。「有名になれるのに」とかね。ネット媒体でも似たようなもので「うちのアクセスは●百万ページビュー/月だから、掲載するだけで人気になりますよ、だから報酬はゼロ」的な話が平気で語られると「え?」となってしまう。一昔前ならそれもアリだったのかもしれないけれど。

短期的なビジネスとしては、これも正解かもしれない。種をまいて育てるコストは他に放り投げ、果実だけをいただく。それこそ種もみまで口にしてしまえば、短期的にはより多くの利益が上げられる。でも人は離れていくし技術は継承されない。「美味しい所だけつまみ食い」をすると、どのような場面でも後でお仕置きを食らうってのは、子供の時に十分学んだはずなのだけどね。

あるいは「決まりだから」「以前からこうだったから」と弁明してくるかもしれない。けれどそれを口にした時点で、その人はオシマイ。自分の判断力・常識が欠けていることを暴露したことになるから。もし自分でも考え、その結果良しとしたたのなら、もっとアウトだし、ね。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2016年5月 2日 06:58に書いた記事です。

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