新聞記事からのキャプチャや取り込み画像はネット上では信ぴょう性を増す効用があるのですが(活字崇拝も一因でしょう)、一次ソースが明記されていない場合は、むしろその効用の悪用を狙ったものとして余計に疑う必要があります。機関紙や運動のビラが元ネタとのケースも増えていますね。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月4日
権利関係を考慮すると多分に微妙なところがあるのだけど、記事内容が本当に紙媒体に掲載されていることを裏付けたり、知らしめたい図版などがある場合、それをデジカメなどで撮影したりスキャナで取り込んでデータ化した上で、ソーシャルメディアやブログに掲載するケースがある。ネット上の情報は得てして容易にコピー&ペーストされるので、一次発信元が特定でき相応の信頼性のある場所で無い限り、疑問を抱かれることが多いから、それら紙媒体経由の情報は、それだけで一定の「確証性が高い」とのお墨付きが読み手から与えられることになる。いわば肩書や保証書みたいなもの。
一方で、この「紙媒体からの情報だから相応に信ぴょう性が高い」という無意識の信奉を逆手にとる形で、取得元の紙媒体の確証度がイマイチなものでも、それをデータ化してネットにアップする事で、非常に信ぴょう性の高い情報として錯誤させるケースがたびたび見受けられるようになった。「官公庁や信頼のおける研究機関からのデータをもとにしました」といった類の注意書きが書かれていれば、さらに信ぴょう性はアップする。
しかしそのような類のものは「解釈が間違っている」「データそのものの見せ方が恣意的」「書かれている内容そのものに間違いはないが、そこから導き出している結論が間違い、あるいは誤誘導、意図的に実態の一部を隠して一部だけを強調している」という、悪意のあるものなのか物事の道理を理解できていないケースが多い。
図版の取得元が書かれてあれば意図はある程度把握できるのだけど、その類の怪しげな取り込み記事に限って、取得元の記述が無い。画像検索をしてもツイッターやらFacebookやらブログ上をぐるぐる回しているだけで、どこにも取得元が書かれていなかったりする。
逆にこの疑いを避けるために、新聞画像を使う場合は以下の情報を記載すると良い
— エツナカ (@Etunaka) 2016年5月4日
・新聞の名前
・新聞の発行年月日
・朝刊/夕刊/号外のいずれであるか
・ページ
・(地方版などの違いがある新聞の場合、何版か) https://t.co/y5nMla35cR
繰り返しになるけれど権利上の問題を考えると、報道目的以上の理由で掲載記事の画像を使うのは色々と微妙。なので、この類の画像の場合、指摘されているような具体的な抽出元が明記されていない場合、原則はスルーするのが無難。最悪、新聞の記事のような原稿を仕立てあげてそれっぽくプリントアウトして、それをスマホなどで撮影して...なんてこともできなくはないからね。全部は無理でも、一部をコラージュするぐらいなら容易にやられてしまいそうだ。
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