「昔の子供は丈夫だった、病気をしなかった」的な話はよく聞きますが、それが多分に、いわゆる生存バイアスであることを認識する必要があります。昔の「丈夫でない」は早期に命を落としていたまでの話。ダーウィンの進化論的発想でもありますね。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月7日
乳児の死亡率変移をグラフ化してみる(2015年)(最新) https://t.co/8rufhLPQyt 1965年時点では乳児は1年で6万8801人が亡くなり、死亡率も39.8/1000人 pic.twitter.com/xsZCaDvEoY
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年5月7日
先日本家サイトの記事を引用する形で、昔の子供は健康で丈夫で病気をしなかったけれど、今の子供は貧弱なのが多い云々的な話が出てきた。で、読み進めていくとあとはお決まりの「ガー」的なもの。さらに説明が色々と首を傾げるものだったので、読み直すとそれがいわゆる生存(者)バイアスだったという次第。死んだ敵兵だけが良い敵兵だ、の逆みたいな。
今件ならば、昔の子供も今の子供も、生物学的に急激な進化をしたわけではないので、丈夫だったりか弱いというものでは無い。栄養状態は昔よりも改善されているので、むしろ今の方が健康だろうし病気もしないだろう。他方、昔の子供のうち病気がちな、丈夫でない子供は、多分に幼いうちに命を落とす可能性が多分にあった。結果として、元々丈夫な子供が生き残る可能性が高くなるので、成長過程の中で健康優良児が残りやすくなり、はたから見れば丈夫な子供が多いように見える次第。
昔の実情を知っている、覚えている人はもちろんだけど、知らない人でも例えば「三丁目の夕日」などのような昔の日常生活を描写した作品に目を通せば、近所の子供が病気や虚弱体質で亡くなるとの話は結構出てくる。子供の死は日常の一要素だった。結果として丈夫な子供が生き残り、成長し、目につきやすくなる次第。あるいは「死者は黙して語らず」なんてのも近い言葉。
過酷な条件でも生き残れた人が残ってるだけ。
— KGN (@KGN_works) 2016年3月27日
感染症で死ななかった子供が大人になるのも同じ理由。
『予防接種しなくても大丈夫』じゃなくて、『周りが予防接種してるので感染の機会が減ったから死ににくくなった』+『死ぬ子は死んで今の大人は頑丈だったか運が良かった子供だった』だけです。
『菜食主義で長生き』でも同じ。
— KGN (@KGN_works) 2016年3月27日
生き残れる食事をしてた頑丈な個体が生き延びただけで、若いうちにバタバタ死んでるのは忘れちゃいけません。
@KGN_works 遭難なんかで「最後まで希望を捨てずに頑張れば助かる」と言うのも、助かった人は希望を捨てなかったかもしれないけど、希望を捨てなかったけど助からなかった人はなにも言わないから。
— ROCKY (@rockyeto) 2016年3月27日
それもあるあるですよね... RT @rockyeto: 遭難なんかで「最後まで希望を捨てずに頑張れば助かる」と言うのも、助かった人は希望を捨てなかったかもしれないけど、希望を捨てなかったけど助からなかった人はなにも言わないから。
— KGN (@KGN_works) 2016年3月27日
この生存者バイアスのお話は、統計や調査結果のデータを精査する上では注意しなければならない要素ではあるし、人間の錯覚としてもよくある話なので、心にとどめおいた方が良い。知らず知らずのうちにバイアスの上での結論を信じてしまったり、あるいはそれを悪用している人の話にのせられてしまうこともあるからね。
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