「ゆで卵」「煮卵」に対して「卵焼き」と言う理由は? 昔は「卵焼き」「焼き卵」両方ありました。ただ「~焼き」は「塩焼き」「みそ焼き」のように「~をつけて焼いた料理」の意味もあります。「ほうれん草の卵焼き」「鮭の卵焼き」などとも言うことから、「卵焼き」の形がしっくり来たのでしょう。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年5月14日
蛇足ですが、「ゆで卵」「煮卵」に合わせて「焼き卵」と言うと、なんだか「焼き魚」のように、卵を丸ごと網に載せて焼いている語感もありますね。現代語として「焼き卵」はもともとないので、これは私の個人的な語感です。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年5月14日
今朝方ツイッターのタイムラインをチェックしていて、朝からちょっと得した気分になったお話。そういえばそうだよね的なものではあるのだけど、ゆで卵、生卵、煮卵とかはよく使うけれど、焼きたまごって言わないよねえ、的な。
話を読む限りでは、卵焼きは単純なたまごオンリーの焼いたものだけでなく、色々なものと合わせた料理も含めた意味合いが多々あるので、焼きたまごでは無くたまご焼きになったっぽい。ゆで卵や煮たまごは確かに卵だけで構成されている。「焼き」などの調理方法名が前に来ると、その後に続く素材のみの料理となる......と考えれば道理は通る。焼きハムはハムのみを焼いたものだけど、それをハム焼きとは言わないよね(なんか別のもののような感じになるな、これ)。
まさしく現代語として「焼き卵」は丸ごと網焼きする意味で使われていたのですね。私の語感と一致したわけですね。 https://t.co/V7Blx7oPfz
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年5月14日
昔は「卵焼き」「焼き卵」両方あると述べましたが、現代語でも「イカ焼き」「焼きイカ」があり、ゆれています。Googleでの検索件数もいい勝負。「焼き魚」からすれば「焼きイカ」が規則的で、「イカ焼き」のほうは謎です。これも何か理由があるのでしょう。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年5月14日
「イカ焼き」「焼きイカ」の話、前者は関西で粉物を指しますが、これは違うモノを違うことばで区別しているので、納得できます。一方、焼いたイカのことも両様に言うわけですが、その理由は謎だ、という意味のツイートでした。Googleの検索件数は、粉物の例も含むので参考にはなりませんね。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2016年5月14日
言葉は状況によって逐次進化、変化していくものだから、そのプロセスをたどれるようにしておかないと、後からチェックしようとしても、良くわからなくなってしまうことも多々ある。その意味で、今件のような検証は大切なのだなあ、という気はする。
この「たまご焼き」「焼きたまご」で思い出したのだけど、昔の人って「カレーライス」を「ライスカレー」と呼ぶことがあった。これも今件の考え方に近いのかな。「ライス」は調理方法ではないけれど、それに続く「カレー」のみの料理なので「ライスカレー」。そして福神漬け、カツ、その他いろいろなモノを合わせ盛りするようになったので、あるいは具材として多彩なものを入れるようになったから、「カレーライス」。「ハヤシライス」とは呼んでも「ライスハヤシ」とは呼ばないからねえ......
この辺りは【ライスカレーとカレーライス(ハウス食品)】にも逸話があったるするけど、合わせて読むと面白い。また【カレーQ&A文化篇―カレーを文化的に少し掘り下げてみると...(S&B)】では
とあるけれど、やはり諸説があるようだ。当時の新聞や雑誌の広告をはじめ、社会文化的な資料と突き合わせて調べる必要があるんだろうな、本格的に精査するとなれば。
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