資金繰りが厳しくなるとトップの能力は超制約される

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大規模な組織となって上層部の一人や二人欠けても会社が組織として回るようになれば話は別だけれど、中小企業の多くはトップや上層部の少数による才覚や技術が、企業全体の軸となり大黒柱となり稼ぎどころとなる。ところが企業としての資金繰りが厳しくなると、企業の本来の事業では無く、資金確保のための作業に多分のリソースを食われてしまうため、企業本来のビジネスも立ち行きにくくなり、業績はされに悪化してしまう。当人の人格も概してネガティブなものとなる。

事業がお金にダイレクトにつながり、すぐに反映するのなら話は別だけど、資金繰りが厳しい企業はその歯車が一時的か長期に渡ってかは別として歪んでいたりかみ合わなかったりする。本来10の力すべてを事業そのものに注力できれば良いのだけど、そのうち8を資金繰りに回さざるを得なくなると、残りの2で従来の企業の業務に充てねばならなくなる。これでは立ち行かない。まるで長編の作品を生業としている創作業の人が、たまたま仕事が途切れて懐が不安になり、深夜のコンビニバイトをはじめるようなもの。


これは家計ベースでも同じ。お金に不安が生じるようになると、それを担保するために資金繰りに東奔西走したり、仕事を増やさねばならなくなり、自己の時間と体力が削られ、安らぐ機会が減っていく。

これは何度も触れているけれど、「世の中お金(だけ)じゃない」というのは「世の中ほとんどお金で解決できる」の裏返しでもある。そしてそれを語れるのは、大よそ物事を解決できるお金を十分に手に入れている人だからこそ。

また、お金というのはさまざまなサービスや物品、さらには時間を同じ物差しで測って指標化した、さまざまな方向性の価値の単一指標化した概念でしかない。お札や貨幣はそれを示す代替品でしかないのだね。お金を否定するのは、お金に置換できる多種多様な物品やサービスをも否定することになるんだな。

なので「世の中お金じゃない」と語る人は多分に、お金そのものの価値を知らない人、認識できていない人なのだろう。その点では指摘の通り、意識だけ高い人なのかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2016年5月30日 08:05に書いた記事です。

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