かつての国会議事録で戦後日本の混迷状態をかいま見る。そして議事録はずっと残るけどという話

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先日、戦後日本における路面電車の事故に関する逸話、噂話的なものがあり、それが事実か否かを確認している際に見つけた議事録。いや、国会のやり取りを記録した議事録そのものが保全されているのは前々から知っていてたし、吉田茂首相のバカヤロー発言周りで以前触れた記憶もあるのだけど。太平洋戦争が終わってまだ10年も経過していない時点での国会の議事録ってことで目を通して見ると、まだまだ日本が国家として整然とした状態では無く、さまざまな具体的行動による策動があったことをうかがわせるやり取りが記録されているのが分かる。

まさに、時間があれば衆参両議院の戦後の議事録をたどるのもありかな、と思わせるような内容。特に戦後、高度経済成長期に至るまでの日本のあれこれは、戦前の話同様に、色々と曖昧な形で伝えられ、イメージされてしまうことが増えている。

その当時に生きていた人達の「当時の様子」として語られるものは多分に、その語り手の都合の良いように、記憶違いで、あるいは意図的に編集・捏造され、伝えられてしまう。そして「本人の言だから」と、聞き手はすべてが正しいと錯覚してしまう。それを防ぎ、より正確度の高い歴史を知る上では欠かせない気がする。先のデモ関連に合わせて、思いっきり美化されたかつての東大紛争・学生闘争のあれこれと、その実態との差異で、それがばれてしまったからね。

また議事録がこうやって半世紀前のでも検証されるということは、見方を変えると昨今のアレな質問をなされている国会議員先生は、自らの発言が後々まで記録に残ることをしっかりと認識しているのかと首を傾げてしまう。議事録そのものには感想も補助解説も無いけれど、原文があればそれを元に色々と他の事実とつきあわせ、いかにトンチンカンなことを述べているのか、スットコな内容なのかは容易に精査されてしまう。それがずっと、実名で残る。掘り起こしをしたい人がいれば、いつでも掘り起こされる。そこまで考えた上での発言なのかな、と。

まぁ、思慮があるのなら、そもそもそのような無責任かつ低レベルな発言はしないというオチではあるのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月 2日 07:00に書いた記事です。

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