日本現代話『オタクの王様』
— とっと (@TotTtto) 2016年6月2日
大臣「王様、こちらはオタクにしか見えない服でございます」
童話の一つ、裸の王様。詐欺師的な仕立て屋に「馬鹿には見えない服」を仕立てられ、馬鹿にされるのを嫌った王様が、何もないにも関わらず自分は馬鹿では無いので素晴らしい服が見えると見栄を張り、そのまま外出。皆は王様の権威を恐れて、あるいは自分が馬鹿だと思われるのを嫌って「服」に関してほめたたえていたけれど、正直な子供が「王様は裸だ」と指摘すると、皆も「やっぱり裸だよね」と認識。それでも王様は裸で歩き続けるという次第。「馬鹿」そのものの語源で有力視されている、史記の趙高による逸話とも近しいものがある。
で、今件ツイートは、それの現代版。ただ、面白くひねっているのが「オタクには見えない」ではなく、「オタクにしか見えない」としていること。この表現だと「オタクの人だけ服と認識してその実態を確認できる。オタク以外の人が見たら何も見えない」と「オタクの人のようにしか見えない服装」の双方に解釈できる。そのダブルミーニング的なところもセンスとして非常に優れている。
王様「眼鏡にリュックサック、チェックの半袖シャツ、アニメ柄の紙袋にポスターを入れて、やや薄汚れたジーパンに、マジックテープの靴。これが......」
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年6月3日
仕立て屋「オタクにしか見えない服一式でございます」https://t.co/YtPTyZUygP
蛇足ではあるけれど、それこそ「王様の仕立て屋」の主人公、織部氏の悪い顔バージョン的なものを頭に思い浮かべながら、補足説明的な感じでのツイート。オタクの服装で検索したら、かつてブームとなった「電車男」なるものが出てきたので、そのイメージをもとに生成した次第。ある意味、王様にとっては「オタクにしか見えない服」ってのも、センスにあふれる、憧れの服装なのかもしれないな。
......いや、観覧式で王様がオタクの格好をしていたら、それはそれで相手もサプライズどころの話ではなくなるか。
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