単行本 一巻同様 最後のも 買ってほしいな 次のかけはし

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昔と比べると紙媒体の出版の需給関係、そして出版社そのもののお財布事情が厳しくなっていることもあり、採算ラインが随分とキツいものになっている。少しでも営業成績的なものが悪いと、すぐに打ち切り連載中止、下手すると単行本そのものもナシよ、的なことに。ソーシャルメディアの普及浸透でアプローチがしやすくなったってのも一因ではあるのだけど、描き手や編集部が自ら「反応が●×無いと打ち切り」的な形で、直接的に読者層に訴えかけるってのは、ネタ以外では無かったような感はある。切実さを訴える点ではプラスになるのだろうけど、ある意味醒めてもしまう。

単行本の動向に限っても話は尽きない。半ばネタかなというのもあるけれど、実情を思い返すと大よそリアルなものであることは容易に想像できる。単行本の巻が進むに連れて売り上げが落ちていく、最終巻は部数が少ない一方で、作者の次回作のあるなしにとっては重要な要素ってのは良くわかる。出版事情が今よりは随分とマシだった昔でも、巻数が進むに連れて入手が困難になり、最終巻はとうとう手に入らなかったって作品は結構あるからね。後にアマゾンでそれを見つけても高値がついていたり、1巻からの全冊セットでないと入手できないとかさ。

ただこの辺りって、提供側にもいくつかの努力の余地がある気がする。雑誌上の連載が終わってから最終巻の単行本の発売までには少なからぬ期間が開いてしまう。ファンならば雑誌連載を追いかけており、そこで終了してしまうと勢いというか情熱が燃え尽きて、醒めてしまうんだよね。その情熱の火をともし続け、単行本に続けられるような、あるいは情熱が連載終了時でピークを迎えた時に、単行本調達の気概に直結できるような仕組みがあった方が良い。

ウェブ上の連載なら、最終回直後に単行本の予約ができるようにするとか(色々と難しいだろうけど)。雑誌ならば大量に描き下ろしなどを加えるとか......って最近そのパターンが増えているのは、それが一因か。ただ雑誌の連載もある程度形をそろえた上で終える必要があるから、そこで熱意がしぼんでしまう。中途にし過ぎて「終結は単行本で」とすると、連載を読んでいるファンも怒ってしまうかも。その辺りの調整が難しい。

何か良い手は無いものかなあ、と考えたりもするけれど。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月12日 08:06に書いた記事です。

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