「商品の値段下げてもいいから1円でも多く売り上げを残すぞ」という思いが、売り上げを1円でも伸ばすかって言ったらそうでもない。というのが個人的な経験からの意見...
— 伊藤ロマ@金魚溺愛 (@kingyo_roma) 2016年6月13日
むしろそういう売り方は、「安いものを買いに来る客」がつくから、仕事は増えるのに売り上げ伸びなくて、疲れます...
大規模チャリティバザーを運営している人に、「バカな値段をつけたら運営はバカだと思われて客になめられる。客になめられたらまともな商売できなくなる。原価ゼロの寄付品でもバカな値段はつけちゃいけない」って言われたことがあって、今も深く胸に刻んでる。
— 伊藤ロマ@金魚溺愛 (@kingyo_roma) 2016年6月13日
例えばネットオークションで5万円で売ってるコペンハーゲンのカップに5百円の値をつけたら、『ここの奴らはコペンハーゲンの価値も分からない奴らなんだ』って思われて、まともな買い物してくれなくなる、っていう話だった。
— 伊藤ロマ@金魚溺愛 (@kingyo_roma) 2016年6月13日
なんでも、そうだと思う。
私は。
直接は某チャリティバザーにおけるトラブル(チャリティで用いるので商品を提供してくださいとして集めたものを、当初は「バザーで売り切れなかったら通販に回す」としていたものが、「余りそうなのでたたき売り、福袋的に安売り」となり、商品提供者が激おこモードになったという話)がトリガーなのだけど。これは色々と考えさせられる話。
商品の特性や市場規模によっては、一時的に値を下げて集客をした上で売上を伸ばし、そこで客が離れないようにした上で値段を戻すという手もある。定期購入性のある商品とかサービスが良い例。機能限定公開のウェブサービスも考え方としては似ている。
他方、購入頻度がさほど高くない、常用性の無いものでこれをやると、得てして買い手側が学習してしまうことになる。「手をつけなければもっと安くなる」「売り手は商品の目利きが無い」などなど。そして本来の商品の価値を見出し、相応の対価を払うお客は離れ、より安く買うことを優先する人が一層集まってくる。しかもその類のお客は価格に重点をおいているから、少しでもコスパのよいものがあれば、さっと引いてしまう。個別の商品の購入者ではなく、そのジャンルのモノがほしくて安いものを選んだだけ、というお客ばかりとなる。量産ビジネスならばそれでも良いけれど、それができるのはごく一部の界隈のみ。
そしてもちろん、今件のチャリティに出品した人達の寄付品は、そのような類のものではない。
そもそも「在庫として残しておくよりは売り払った方が売り上げは上がるから良い」ってのは、在庫管理に費用が発生する云々まで考えた上での話。棚卸セールの類はまさにそれ。
「3000円のものがひとつ残っているより、1800円が2つ売れたほうが実質的にはプラスになる。」
— 杉下京子@飯テロねずみすきー (@kyouko_sugisita) 2016年6月14日
このデフレの考えが、売上げを(将来的にも)最も減らすんですよ。1800円で買えた品や店に、3000円出す消費者はいない。<RT pic.twitter.com/TQXK3X4iTm
安くしても売れ残るんじゃない、安くしたからこそ「次も正価では売れ残る」んですよ。期間限定のイベントだけど、後の通販の方がビジネスチャンスだった。それにもかかわらず焦って投げ投売りした。早晩あなたのお店は潰れますよ間違いない。 pic.twitter.com/KwNlTwO7gl
— 杉下京子@飯テロねずみすきー (@kyouko_sugisita) 2016年6月14日
うん、夕方の値引きセールをしてる店には、夕方に客が集まるの法則。定価で買わんのよね。
— KGN (@KGN_works) 2016年6月14日
これって結局、定期的に問題視される、無料や安価で仕事を請け負って業界そのものの相場を下げてしまう話とか、「名前を売るためには無料で仕事を請けても仕方がないよね」と「名前が売れますから対価は無くても良いですね」的なやりとりとかと、方向性としては似ている気がする。
基本的に一度値を下げてしまうと、再び値を上げることは非常に難しい。お金を出す側の善意や要望があれば話は別だけど、対消費者のやりとりではまずありえない。今件は特に、商品を作った人とは別の人が勝手に値を下げて、商品価値を貶めてしまった形になったことに加え、その重大性に気が付いていないのが問題だったりする。
マクドナルドの前世紀末の迷走時期のように、大手でも値を下げると色々と大変なことになるっていう例もあるのだけどね。
売値を下げて在庫は捌けるようになったけど、仕事は増えて総売り上げはほとんど変わらず、結果として苦しくなるばかりってのは避けたいお話に違いない。
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