「●●なら××買うわ」で実際に買う人はどれほどいるのだろうか

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名作は多くの人に多大な影響を与え、その後に展開する作品に対し、系統図みたいなものがつくられるような情景となることもある。作った本人は意識していなくとも、無意識のうちにその偉大な作品の香りを覚えてしまうものがある。あるいは似たような環境下で似たような意識を持ってデザインすれば、結果として似たような雰囲気のものができることもあるだろう。

その場合、その偉大な作品を知っている人が「これを買うぐらいなら『偉大な作品買うわ』」とツッコミを入れてくることがある。ただ実際に、その人が「偉大な作品」に手を伸ばす事はどれだけあるのか、という話。そういや確かに、「これを買うならそれではなくてこちらを買う」という選択をした場合、「こちら」を選ぶ思いはどれほどあるのか。比較論として、Bを買うならAの方が良いと判断したまでの話であり、Aを買うとまでは決めていない。つまり、BよりはAの選択をしただけで、Aを手に取るとは決めていない。だからAすら手に取るとは限らない。

仮に「BだったらむしろAを買うよ」という人をどうにかしてBの方に向けさせたとしても、果たしてその人がBを手に取るか否かは別の話。それよりはAのことなどを気にせずに、Bを買う人へのアプローチをした方が合理的ではある。犬を飼うのだったら猫を飼うよという人に、どうにかして犬を飼うように説得しても、「どのみちペット厳禁の家に住んでるから」といわれるのがオチだったりするのなら、最初から「ペット飼いたいな」「犬が好き」という人に声が届くようにした方が良い。


お客へのアプローチと選択とはちょいと外れるけれど、なるほど感を覚えた話をもう一つ......というか話としてはつながっているのだけど。これは限定リソースの中でいかにバランスを調整していくかという問題。声優に力を入れ過ぎたら予算をバリバリ食ってしまって、舞台描写がおチープになりすぎたアニメとかゴホゴホ。作りたいのは、お客に提示したいのは、喜んでほしいのは何なのか、その見極めが必要ということになるわけだ。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月16日 07:18に書いた記事です。

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