ブルガリアの独身税が「成功例」としてテレビで伝えられていたとのことだけど

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検索をしてみると、どうもつい先日に某のテレビ局の番組(Fテレビの「ニッポンのノビシロ」)でブルガリアにおいてかつて実施されていた独身税なるものを「成功例」として挙げており、それがまとめサイトなどで拡散されていたようだ。

ただこれって引用先の説明やその他多様な資料から分かる通り、当時のブルガリアの特殊事情による法令であることとか、結局出生率は逆に下がってしまったという笑えないオチがついている。理由も書いてある通り。独身者がさらに困窮するため、結婚するために必要なステップが踏みにくくなってしまう。飢えている人の口にチャックをして、もっとご飯を食べて栄養を摂ろうと諭しているようなもの。また、独身でも子供を持つ人だっている(離婚世帯とか相方と死別した人とかいわゆる未婚の母とか)。

なので金銭的な施策から出生率を増やそうとする試みとしては、むしろ子供が居る世帯へのサポートを積み増す方が得策だと思う。例えば子供が生まれたら、その子供に対する貯蓄型の医療保険を国の援助の形で、個人負担は無料でかけてあげる。幼少時には病気にかかりやすいのはよく知られた話だけど、そしてそれゆえに自治体では医療費無料のサポートをしているところもあるけれど、この保険でさらに金銭的な不安が無くなる。中学校に上がるぐらいで満期として、それは奨学金として学費に充ててもらう。いわゆる学資保険みたいなもの。......まぁ、学費負担が大きくなるのは、高校や大学に入ってからなので、満期をそこまでずらしても良い。


妊娠時の検診に関しては以前から言われている話ではある。また、用意されている制度が有効に活用されていない、情報としてうまく伝達されていないってのは世の常ではあるけれど、何らかの形で周知をさらに推し進め、より多くの人に制度を使ってもらうってのは言い得て妙。

なので、数年前に「女性の生き方の選択に国が干渉すべきではない」などという横やりが入って御釈迦になった「女性手帳」も、本当は十分以上に役に立つはずだったんだよなあ、という悔やみを覚える。権利を守るためとの声高の行動が、より多くの人達の便益を吹き飛ばす。当時も色々とイヤな雰囲気を覚えたけれど、あらためて「狂気の善意は多数の便益を吹き飛ばす」例だよなあと思ったりもする。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月20日 06:55に書いた記事です。

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