「流行ってる」語れば 流行ると思ってる

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「最近●×という言葉が流行っている」との記事を直接書いたり、取材先の言及として取り上げることで、世間一般に実際に流行らせようとする手口は、メディアとしては禁じ手の一つ。ましてやそれが政治的文言であったり、特定対象を誹謗中傷するものであれば、倫理観の上でも否定されねばならない。

また、流行っているとされる領域を、すぐに精査はし難い場所にすることで、疑問符を浮かべた人に確認を取らせることを躊躇するというのも手口の一つ。海外とかを対象にするのも良くある手。

「流行っている」との手法を用い、受け手にその言葉を使わせる、浸透させようとのプロモーション手法、マーケティングの手口は、同調意識が強い日本では効果的。藤子不二雄先生の短編SF作品「オヤジ・ロック」が良くわかる例なので、機会があれば確認をしてほしいな。

で、「流行っている」と記事に書かれていると、それを読んだ人は首を傾げる。現実には流行っていないから。何で記事で「流行っている」と書いてあるのに、自分は知らないのだろう。そしてメディアで「流行っている」と伝えられると、「メディアに書いてあるのだから本当に流行っているのだろう」と認識し、それを知らない自分は流行に遅れていると恥じてしまう、信用してしまう。当然、メディアへの信奉度が高い人ほど、このトラップにかかりやすい。


指摘を受けてなるほど感。確かに新聞の社説やそれに近い記事界隈では、その類のがちらほらみうけられる。「流行は世間で生じているんじゃない、俺達が作るんだ。都合の良いように」的な語りを、新聞のデスクで記者が絶叫しながら記事を書いている......そんな想像までできてしまう。


今件の「子供達の間で流行っている」という文言そのものは、確か数年前に某新聞社が「流行っている」と流布しようとして、逆に新たな造語を創る機会となったってのを思い出したりする。ああ、確かにありました。色々と懲りない、というか、やってはいけないことを自分達がやったという認識そのものが無いのだろうな。精々「今回は失敗したけど次は上手くやってやる」位のとらえ方なんだろう。悲しいことではある。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月20日 07:56に書いた記事です。

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