VRを「事故疑似体験」として活用する方法

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VRの意味が段々と曖昧になってきている感はあるのだけど、人間の五感を色々と誤魔化して本物の体験のような感覚を疑似的に経験させる方法論は、色々な方面における可能性があることに違いは無い。シミュレーターのよりリアルっぽい、的な。

で、今件紹介されているのは、【ソリッドレイケイン研究所による労働災害疑似体験システム「セーフマスター」】のお話。詳しくはリンク先で確認してほしいけれど、「製造現場で起こりやすい「はさまれ・巻き込まれ」 による事故の再現。"CGの手"を"自分の手"と錯覚し、この事故をVR体験できます」とのこと。

これ、この発想は多種多様な労働現場の事例として活用ができる気がする。ある程度汎用ユニット化して、あとは各器材、現場ごとに近しい状況をオプションでカスタマイズする、的な。

......まぁ、労働災害ってのは多分に当事者が傷つくものなので、そのVRによる体験は確かにトラウマとなる可能性は大いにある。疑似体験が実際の体験と近しい形で心身に刻まれるかもしれない。ただし、本当に傷つくことはない。


子供の料理や裁縫、大工仕事、運動などでは、自ら失敗する、低リスクでトラブルを起こす事で、その問題を体験し、学ぶことが多い。啓蒙は必要だけれど、他人から教え説かれただけでは、十分に習得できるとは限らない。「痛い目に合わないと分からない」ってのは、そういう意味もある。もちろん、リアルな疑似体験による失敗を繰り返していくうちに、失敗に慣れてしまい、本当の運用の際にも似たように「失敗しても大丈夫」的なクセがついてしまう、リアルとVRの境い目が曖昧になってしまう可能性は否定しないけれど。

ともあれ、今後のVR技術の進歩に伴い、大いに期待できる分野の一つには違いない。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月 8日 07:22に書いた記事です。

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