たとえ相手が身内でも...投票の秘密の大切さ

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日本の選挙は国政も地方もすべて秘密投票。誰がどの勢派、候補者に投票したかは第三者からは分からないようになっているし、投票した内容を他の人に語る義務もない。当たり前のように思えるけれど、実はこの仕組み、さほど古いものでは無い。

秘密投票には、選挙人に対する干渉を防ぐ目的がある。逆に投票の秘密が保証されない場合、投票先指図などの脅迫・強要、開票結果による報復、または買収・贈賄につながりかねず、正当な選挙が望めなくなる。


自書式投票の秘密投票では候補者(比例選挙の場合は政党名)に他事記載をした票を無効票としている。これは他事記載が有効票扱いとなると、他事記載で投票者の峻別が判断できるため、他事記載を強要することによって秘密投票が保障されない事態を排除するためである。



などが目的。決まりとして秘密投票が定められていないと、第三者から「仕組みとして存在しないのだから教えろ」ってこともできてしまう。例の投票証明書も、この秘密投票に反するのではとか、投票対象を強要した証拠として回収されてしまうリスクがあるとの指摘もなされているのだけど......投票する・しないは別の問題だし、誰に投票したかは投票証明書には記載されていないので問題は無いと思うのだけどね。証明書をもらうのは投票した後で、しかも投票投函用の箱とは別の場所での受取りだから。

で、それらの理由もあり、投票対象に関しては、親子であっても口にしないのが望ましい。それが本当であっても嘘であっても、第三者に何らかの影響を与えてしまうし、自分の今後の投票行動にネガティブな影響が生じ得る。本質的には軸がずれるかもしれないけれど、プライベートのかなり奥深い部分にあるものだと考えれば、子供、親に対しても語るべきでは無いってのは分かるはず。


指摘の通り皆が皆、相手を尊重して分け隔てなく扱いをすれば良いのだけど、投票した相手によって仕切り分けをしてしまう、差別をする、さらには特定対象への投票行動の強圧をしてくる可能性もある。親子間だけの内緒話のつもりでも、つい世帯外に漏れる可能性だってある。家族であっても選挙に関しては個人個人のプライバシーの尊重が欠かせない。

白票投票周りも色々考えさせられるところはあるし、昨今の自撮りブームに連動するかたちで投票所内で自分の投票用紙を候補者の名前付きで投稿しちゃってる事案もあったし、ソーシャルメディア上で「自分は●×に投票しました」と宣言している人も少なくない。「秘密投票」の大切さを今一度確認すべきではないかな。

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このページは、不破雷蔵が2016年7月 4日 07:29に書いた記事です。

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