街の書店が減るのはもちろんAmazonに負けてるからだが、Amazonは出会う仕掛けも立ち読みも用意しているし、レコメンドもしてくし、非店舗型中小書店も広げたし、電子書籍という名の有料コンテンツ販売制度もある。その間書店は何をした?https://t.co/Yqw9sivRDp
— 御魚工房@夏コミ3日目西く14b (@mishiki) 2016年8月2日
大体、商業統計見りゃ明らかだが、書店小売店舗数のピークは1990年そこそこ辺りのはずで、書店が減ったのは直接的にはAmazonのせいではない。それより前から減りはじめているのだ。舞田先生がご存じないとは思えない。だからこの記事はかなり詐術的なAmazon叩きと思われる。
— 御魚工房@夏コミ3日目西く14b (@mishiki) 2016年8月2日
先行記事でアマゾンの読み放題サービス「Kindle Unlimited」が始まった云々の話をしただけに、かなりタイミング的に絶妙な感はあるのだけど。先日リツイートで流れてきたお話。データ分析で著名な方がニューズウィークで連載を有しており、その記事の最新版、にあたるのかな。そのお話。日本の書店数はもりもり減って、それが多分にアマゾンが原因として存在する、でも書店はいいよね、アマゾンどうなんよ? 的な印象ががっつり刻まれる話。まぁ、書店の良さをプッシュするのは問題ないし、当方も本屋はダイナミック好物ではあるのだけど、だからといってそれを表現する際にアマゾン性悪論的なもので相対的な底上げをするのはどうなんだろう。
総書店数・総売り場面積推移(経済産業省・商業統計調査より)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年8月2日
出版物の種類別売上の変化をグラフ化してみる(前年比)(2015年)(最新) https://t.co/5WfImoTXxy から pic.twitter.com/QvVPjglsMo
ガベージニュースは色々データ集めて分析してるなhttps://t.co/WlPajZcTeD
— ォヶラ (@okerror) 2016年8月2日
でコンビニ店舗数は1988年頃から急増https://t.co/aXSwjCw4UA
で書店数は1988年頃をピークに減少
相関は不明だけどちょっと気になる符合ではある
で、指摘もされているし当方も本家サイトで記事にしているのだけど、書店数の減退傾向は日本においてアマゾンが本格的にサービスを展開し始めるはるか前から減少に転じている。少なくとも2010年位までは店舗数の減退と全体面積の増加が同時に起きているから、単なる店舗数の減退では無く、効率化、規模拡大化、集約化が進んでいたとの見方もできる。
また、ちょいと指摘されたツイートにもある通り、相関の説明はできないけれど、書店の減退、つまり採算が取れなくて店じまいをせざるを得なくなった起因の一つには、収益率が高く回転率も良い雑誌をよく取り扱う、コンビニが浸透してきたのも多分に影響している(これ、どこかで読んだ記憶がある)。商圏内での書籍、雑誌需要は一定だから、コンビニに流れればその分書店での購入者が減るのは当然の話。
書店の不調ぶりの原因の一つはアマゾンという書籍・雑誌調達のルートの登場普及に違いないけれど、それはあくまでもたくさんの理由の一つでしかなく、それだけで全部悪いって話じゃない。CDやたばこ屋さんの衰退と状況はよく似ている。CDだってiTunesが悪者にされているけれど、売上が落ちてきたのはそれより前なので、あくまでもきっかけに過ぎない。新聞の発行部数の減退だって、インターネットの普及浸透前から生じている。
分かりやすい、目立つ対象を唯一の悪の根源としてアピールして、それを叩けば良いとする手法は、不特定多数に周知させる方法としては適しているかもしれないけれど、確からしさの観点では大いに問題がある。
あとさぁ、このグラフで読み取るべきは、「加齢による読書習慣の消失」じゃないの。だとしたら、「書店を守れ」じゃなくて、「読書習慣をどう守るか」であり、その問に対する有効な回答の一つは、文字の拡大が出来る「電子書籍」じゃないのかと。https://t.co/D0esELlVfX
— 御魚工房@夏コミ3日目西く14b (@mishiki) 2016年8月2日
Amazonが『1984』でやらかしたように、現行の電子書籍のシステムがプラットフォームオーナーによって徹底的にコントロール可能な状態であるという問題などと、電子書籍が弱視や老眼の人への福音になりえるという話は別の問題でしょう。https://t.co/8OwjE3821m
— 御魚工房@夏コミ3日目西く14b (@mishiki) 2016年8月2日
@mishiki @Fuwarin この記事の結論に事例として、フランスの反アマゾン法が出てくると、確かにアマゾン叩きにしか見えないですよね https://t.co/HLIzH3ZNdD
— 菊池昭夫 (@kikuchi0310) 2016年8月2日
実際、歳を重ねるに連れて新聞離れが進み、テレビやラジオに一層傾注するのも、新聞の文字が読みにくいからってのがある。その点では拡大が可能な電子書籍ってのは福音なわけなんだよね。
色々なデータの解釈の仕方も合わせ、今件のお話は半ばなるほど、半ば残念な感は強い。まぁ、解釈の仕方は人それぞれなので、自分が合っている、相手は間違ってるとはしないけれど。
コメントする