生活保護を受ける世帯 高齢者世帯で増加 | NHKニュース https://t.co/OPuwrpl5GK
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年8月3日
先日本家サイトで【子育て世代=若年層の生活保護世帯動向をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を更新する際に、年次ベースの生活保護世帯状況を確認した際に、かなり驚いたデータの動きをしていたので、最新版ではちょいと言及をしておいたのだけど、それとほぼ同じ内容が今件伝えられている。病気やけが、障害を有する、事故、離婚や元々婚姻状態にない男女間で生まれた子供がいる世帯などの生活保護を受ける世帯数は大よそ減少しているのだけど、高齢者世帯(65歳以上のみ、あるいはそれに18歳未満の未婚の人が加わっている世帯)がもりもり増えている。
確かに高齢者世帯そのものも増加傾向にあるから、確率論的に数が増えていくのは当然の話なんだけど、その伸び方が高齢者世帯数全体の増加よりもはるかに大きい。また、記事に指摘のある通り、ほとんど一人暮らし。
高齢世帯層の生活保護世帯の増加は単なる高齢化以上のスピードであることに違いは無く、この辺りは時間を確保できれば数量化する予定。そして高齢に達するまでの備えの概念に疎い世代なのも大きな要因であることは、これも本家サイトで解説している。加えて、一人身の高齢世帯での生活保護者が増えているってのは、一人暮らしは基本経費が全負担となるってのも大きい。二人暮らしの場合は二人分の年金で、一世帯分の基本経費を賄えばよくなるけど、一人暮らしは一人分の年金で、一世帯の基本経費を補う必要がある。無論、二人暮らしよりは一人暮らしの方がコストがかからない部分も多いけれど、ベースとなる経費はそれなりにかかるのだよね、一人でも。
さらに。高齢者世帯における、より高齢な世帯の増加もあるかな、という感はある。高齢者は65歳以上でひとくくりだけど、これが60歳代、70歳代、80歳代以上で仕切り直したらどのような違いが出て来るか。もちろん、より高齢な方が生活維持のためのコストは割高になる。食費こそ少なめで済むかもしれないけれど、医療健康周りとかは間違いなく高負担になるし、移動も徒歩や自転車、自家用車の利用は一層難しくなり、タクシーなどの利用率が高まる。当然コストはかかる。
この辺りの話はアンタッチャブル的な雰囲気が強く、下手に数字を精査すると、関連する界隈から逆切れ的な猛反発を受けることも容易に想定される。その辺りが難しいところではある。挙句の果てに「数字など関係ない、感情の、心境の問題だ」と感情論で殴られかねない。ただ、感情論で数字が動くわけではないのも事実ではあるので、いつか公的なデータを基に、色々と分析をしてみたいテーマの一つではある。結局、中長期的に見た優先順位の問題とか、リソースの効果的な配分の問題とか、その辺りにまでメスを入れないと、縮小再生産的な話になってしまうのだよねえ......。
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