記者は時に、嫌がられたり的外れに思えたりする質問をわざとぶつけて選手の本音を引きだそうとします。それもテクニックの一つ。この記者はいい反応を引き出しました。
— 柴田真宏 (@MasShibata) 2016年8月11日
銀メダリストが助け舟 内村への採点の質問「無駄だ」:朝日新聞デジタル https://t.co/BTyYVxKrd8
前も誰かが同じこと言ってましたけど、「嫌がらせ」を公言する人間性は私は嫌いです https://t.co/F41I5LUv0a
— Aprildiamond (@Poker_April) 2016年8月11日
人が嫌がることを、前もって想定した上であえてするって、「いじめ」じゃないの?
— Aprildiamond (@Poker_April) 2016年8月11日
どうもこの類の話は連鎖反応を生じるケースが多いようで、先日の【「相手を怒らせて語らせるのがジャーナリズム」のもう一つの怖いところ】と類する話がまた新聞記者、しかも朝日新聞から出てきた次第。これ、グラフ化は無理だけど、もう少し時間をかけて本家サイトなどにまとめた方がいいのだろうな。
今件は詳しくは元記事の通りで、インタビューで「えこひいきされたので相手に金を取られた」と質問したら「んなこたぁねーよ、何馬鹿なこと聞いてんだ」と叱責されたというもの。この質問をしたのはどのような記者なのか、伝えられていないのがちょっと残念。
で、この質問に対し、朝日新聞の記者は、良い質問であり、これはテクニックであると誇らしげに語っている。それに対する反応の一つも上げておいたけど、まあかねがね同意。イジメと何ら変わりない。「相手を殴って痛い目に合わせて言うことを聞かせる。これもテクニックの一つ」とかと同じだよなあ......。
朝日新聞は、ああいう失礼極まりない質問を投げるのを「テクニック」と賞賛するようです。酷い企業文化というか...報道の世界はこういう自分の実力不足を棚に上げて相手を侮辱して棚ボタ狙うような事を良しとするような業界なんですか? https://t.co/WvKzdPrAES
— タクラミックス (@takuramix) 2016年8月11日
実際不思議なんだけど、あの人たち(記者稼業の人全部が全部とは思わないけど)って、どうして「人は怒ると本音を言う」と思い込んでいられるんだろう。そんな訳ないじゃん。相手を怒らせてしまった自分の取材の稚拙さ未熟さを「テクニック」ということで正当化しようとしてるだけなんじゃないの?
— 惰眠 (@Damin_EN500) 2016年8月11日
インタビューなんかで怒らせて引き出せるのは本音ではなく、皮肉とか罵声じゃないかと思う。
— ktfjapan (@ktfjapan) 2016年8月11日
こういうの、記者側がその人をどう見せたいか関係してる。
例えば我慢して紳士的に振る舞う姿が欲しくて上手くいけば立派な人とか言うだろうし、挑発に乗れば幼いとか言うんだと思う。
@MasShibata 相手を不快にさせてまで聞き出すような話に、何ら価値無し。
— 枢斬暗屯子@(日)西ぬ01a (@suuzanantonko) 2016年8月11日
だいたい、怒っていたり悲しんでいたりと心の平衡を失った状態で出てくる言葉を「本音」だとして扱うことにも違和感が強い。窮地に陥った時の言動を「本性」とか呼ぶのと同じで、ちょっと承服しかねる
— あおじる (@t2o_yama) 2016年8月12日
疑問なのが、仮に記者が取材相手を怒らせて本音を引き出したとして、その怒った相手のケアはどうしてるんだろう。これ取材テクニックだったんですよテヘヘで済むのか?自分なら、お前の給料のためにわざと怒らされたならカメラの1つもぶち壊してやろうかって気になるなあ取材なんかされませんけど
— koume@ザリガニの悪さを絶対許さない (@koume_nouka) 2016年8月12日
相手に不快感を与えて、記者いわくの本音を口から出させることをテクニックとする主張は、そういや報道界隈の話では随分と前からちょくちょく見聞きしているし、当サイトでも数年前から何度か取り上げている。昨日今日の話では無い。それに、相手が不快感を覚えた時に発した言が「本音」であると、誰が断定できるのだろうか。
「心の平衡を失った状態で出てくる言葉を「本音」だとして扱うことにも違和感が強い」とはまさにその通りで、記者のいう「本音」とは記事にし易い、叩きやすい「対象者の口から出た言葉」に過ぎないのだろう。壊されるのがカメラだけならまだ良いのだろうけど。もっともそんなことをしようものなら「報道の自由を侵害した」的な感じで大騒ぎするのだろうけどね。
「記者は嫌がられたり的外れに思えたりする質問をぶつけて本音を引きだそうとする。それもテクニック」って、ブラック企業が圧迫面接を肯定する理屈とほぼ同じじゃないですか。そんな事してるからメディアがどんどん嫌われるんじゃないですか。
— コ口吉 (@0icco) 2016年8月12日
一連の「怒らせると」の件。どこか既視感を覚えていて、その一つが拷問などによる自白の強要ではあったのだけど(これとて「これ以上我慢していると一層痛めつけられるから嘘でも口にしてしまう」ケースが多々ある)、ブラック企業の圧迫面接でもあったのだな。なるほど。
怒ると大概の人間は興奮して変なことを口走るから、要は怒らせて変なこと言わせたいだけやん。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
朝ちょっと触れた「怒らせて本音を引き出すテクニック」の件だけどさ、あれはこうやってSNSで「あれはテクニックなんです」って言っちゃうところまで含めておばかさんなんだよなぁ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
あれねぇ、オレの記憶だとかなり前から新聞人はあんなことを言ってたように思うから、結構取材テクニックとして根づいているんだと思うんだけど、それを知らなかったら、新聞読者は「ああ下品な記者もいるもんだな」って思うだけの話でしょう。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
どこの記者だか知らないけど、「どこかの下品な記者」がゲスな質問をしたせいで「結果的に」面白い談話がとれた、みたいなのが記事を読む限りの表向きの筋書きでしょう。読者は自分が購読している新聞の記者がそんなゲスなことをするわけがないって思ってるわけですよ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
でも、「あれは取材テクニックなんです」って、たとえば朝日新聞の記者まで得意顔で言っちゃったら、それって大新聞まで含めて丸ごと新聞マスコミが面白いネタを取る為に悪役に下品な質問させてる八百長をやってるんだってバレちゃうわけですよ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
じゃあ、なんでそんなことを言っちゃうのかと言うと、そう謂うゲスい質問する悪役記者のおこぼれで面白いネタ拾ってるだけって「体」にして黙っていられないからですよ。偶然相手が面白いこと言ったんじゃなくて、ボクら新聞記者はそう謂う高等テクニック使って引き出したんですって言いたいのよ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
悪役を立ててでっち上げた八百長芝居でネタを取るだけじゃ飽き足らなくて、それはボクらが編み出した高等テクニックなんですって威張らないと満足しないんだよ、ホントに莫迦だよなぁ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
しかも、あの人らのホントに無自覚なところって、そう謂う話はぺーぺーの頃に先輩に習うんだけど、そこで自分が「なるほどー」って感心したから、それを明かすと世間の人も感心するとか無邪気に思ってるわけですよ。ホントに莫迦じゃないのかと。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
それはね、取材対象から何が何でも面白いネタを取ると謂うのが至上命題になっている自分たち新聞記者の間でその動機が共有されているからこそ感心するんだって頭が働かない。だから八百長芝居の舞台裏を得意げに自慢したりする。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
テレビマスコミもかなりヒドイけど、オレは新聞マスコミのほうが致命的にヒドイと思っていて、でも個々の記者をそんなに非難したいと思わないのは、あの業界ってホントに蛸壺化がヒドイんですよ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
「怒らせるのがテクニック」とかすっごい無邪気に言っちゃうのは、ホントにそれでみんな感心すると思ってるんですよ、ちょっとええ話を聞いたと世間の人が思うと思ってるんですよ。もう完全に世間の感覚がわからなくなっている。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
新聞マスコミが主張している実名報道とか人となり報道とか、もっと極端に言うと軽減税率の話とか、あの人らはちっとも変なことを言ってると謂う意識がなくて、ホントに心から堂々と言ってるんですよ。新卒から一貫して深い深い蛸壺の中で純粋培養されたから、あの業界の常識でしか世界を見られない。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
「いや、おかしいだろ」って普通に思うよね。でもその常識があの人たちには通じない。取材対象に原稿見せないとか、今ではもうおかしくなっている常識を疑う感覚すらないんだ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
蛸壺で育ったこれまでの職業人としての人生が、経験値が、全部ゴミだって認めるのは誰だって辛いよね。新聞なんて、有り難みはこれまで蓄積したネットワークやデータベースでしかないんだって認めるのはイヤだよね。だから、あの蛸壺から這い出してくる人は極々少ないんですよ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
新聞メディアってテレビメディアやラジオメディアなんかの頂点にあるわけで、それとは系統が異なるのが総合誌や週刊誌のような出版社系列のメディアで、どっちも今はかなりヤヴァい曲がり角に差し掛かっているんだけど、ヤヴァさで言えば新聞社系列のメディアのほうがヤヴァいと思っている。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
就中、今一番ヤヴァいのが新聞メディアじゃないかな。新聞以外のメディア人って、基本的に自分のことを不良だと思っていて不良である自分を好きなんだけど、新聞人って自分を不良だとは思ってないんだね。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
あの人らの一番ヤヴァい部分って「世間の莫迦にはわからないだろうけど、自分たちはこの国で数少ない正しい人間だ」とか無根拠に思い込んでいて、莫迦だと思ってる奴の言い分にはハナから耳を貸さず、その莫迦に新聞を売ることも正義だと思っていることなんですよ。
— knt(黒猫亭) (@chronekotei) 2016年8月12日
物理的ではないにせよ相手に強制力を加えて怒らせて「本音」なるものを引き出すのがテクニックだとする件に関する分析としては、この一連のお話がしっくりくる。代替手段的なもので、しかも的外れなものが抽出されてしまうことも多々あったにも関わらず、それが正しいものだとテンプレ化され、伝承されてしまう。しかも狭い業界界隈の中の話なので、外の常識とは隔離され、選民意識もあわせ、「お前ら知らないだろうけどなあ」という鼻高々モードになり、つい口にしてしまう。
「世間の莫迦(ばか)にはわからないだろうけど、自分たちはこの国で数少ない正しい人間だ」ってのは、まったくもってなるほど感のある、報道、特に新聞界隈が抱いている感想なんだろうなあ。ちょっと例を挙げても、「私たち記者は正義」とか、実名報道が無いと記憶に刻み込めないとか、例の軽減税率の際に「新聞は文化、だから税率アップの除外対象」とドヤ顔で主張した辺りとかね。
報道そのもののツールとしての構造や機能云々よりも、その中に居る人達、その人たちで構築される人的システムにこそ、現在の報道の行きづまり感や暴走的なものの原因があるのだろうなあ、と。
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