怒らせたら本音が出てくる とか思ってる人 は、怒ったら本音言っちゃうんでしょうか。馬鹿ですね。
— utchie! (@utchie) 2016年8月13日
報道界隈のメソッドとしてドヤ顔して語られる、これが報道たるものだ的な形で述べられることが多い、そして先日から色々と考えながら書き連ねている、「相手を怒らせれば本音が出て来るから、怒らせるのも報道記者の役割であり手段の一つ」という、報道の常識的なものに関するお話。
「殴れば相手は言うことを聞いて考えを改める」と語る人に、「貴方を殴れば私の言うことを聞いて、『殴れば言うことを聞く』という考えを改めてくれますか」という禅問答的な話を返すってのはよく聞くネタではあるけれど。それと同じように、記者側が怒られたら同じように本音を語るのだろうか。興味はある。
わざと人を怒らせるような質問をする人には「今のご質問をもう一度繰り返していただけますか?ゆっくりと。」とお願いしましょう。そして、できるだけ丁寧に相手の質問を言い直しましょう。これだけで面白いほど質問者が馬鹿に見えます。
— Bernardo Domorno (@Dominique_Domon) 2016年8月13日
(石破メソッド)
これは石破氏に限らず、結構言われている返し方。「理解を違えていると申し訳ないので」などとの説明を加えて、相手の質問を言い直し、その上で「この解釈で間違いありませんか」と聞くと、なおさら良い。一対一ならともかく、多数で質問をしてくる場合には、この返し方をすると、周囲がハッと気が付くはず。この質問者は馬鹿だ、と。また、議事録に残る場合、どちらが賢明かもわかる(記事の際には編集されるので、その辺りは色々と細工されるだろうけど)。
かつて日本人は建前ばかりで本音を言わず、引き出すための技術としてあったと思う。現在はネットもそうだけど社会に本音が溢れてるから有効ではなくなったのでは。/「相手を怒らせる質問をするのもテクニック。本音を引き出せるから」と新聞記者 https://t.co/yGZibKMSEa
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2016年8月13日
怒った際に出た言葉が「本音」とする発想そのものが間違っていると断じる系当職。https://t.co/xJ8ieC66mD
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年8月14日
そして「怒ると本音を出す」って一連の流れで首を傾げた部分の一つがこれ。怒った際に出た言葉が、どうして「本音」と断定できるのだろう。そもそも「本音」って何だろう。本人の口から出れば、元々発する意思が、つもりがなかった言葉でも「本音」というのであれば、寝言も本音になってしまう。それこそまさに「寝言は寝て言え」でしかない。さらにいえば「本音」は一つでは無い。怒りの感情と共に出てきた言葉は、本心の一つかもしれないけれど、それが思っていることのすべてではない。それを「唯一の本音である」と断じられて不特定多数に公知されることが、どれほど理不尽な話なのか。
以前も言及したけど「怒って口に出た言葉」が「本音」なら、「相手を脅迫して出てきた言葉」も本音になる。それは許されることなのか。口にしたくない言葉を語らせられ、それを本心として伝えられることが、どれほど理不尽な話なのか、理解しているのだろうか。
報道界隈の「本音」って、要は読者にウケがよさそうな、注目を集められそうなリアクションに過ぎないのではないかな。
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