あの団体の解散劇に見る報道姿勢と、それからにじみ出る新聞の実情

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終戦記念日に合わせてなのか、ここ数年世間を騒がせていたあの団体も解散宣言をするとのこと。金銭周りの法的問題で複数の指摘があり、今後刑事的な追求が成される香りがシュールストレミングレベルでするのだけど。かの団体が活動中の時点で、客観的な多数の情報、資料から、語られている実情であることは容易に理解が出来るはずなのに、報道界隈の他分や一部専門家まで「あれは若者の自然発起によるものだ」「若者の集団だ」的な太鼓持ちをして、正直冷蔵庫の片隅から出てきた半年前のもやしぐらいに気持ち悪かった。

そして今に及んでも、その太鼓持ちを朝日新聞や毎日新聞がかくも続けている。かの人たちは若者の代表であり、あれこそが真の若者の声だ、的な。意地でもそのような記事を書き連ねて記録し、後世からはそのようにせたいが如くの挙動には、例の「流行語大賞」同様の、歴史捏造的な意図が見えてきて、上記のもやしが半年じゃなく一年位前だった位の気持ち悪さをおぼえる。

新聞界隈の「物事を見据える」能力ってそこまで落ちているのか。あるいは報道そのものをツールとして考え、自らの核心的利益のために利用しているからこその挙動なのか。


実のところ、旧態依然、前世紀から本質は変わっていない、状況・環境に応じた進化が出来ていないのが、報道界隈、ジャーナリストな方々ではないかなというのが実感で、それは当方だけではないらしい。ジャーナリスト云々については先日も記事にした話とか、「1200人」「私たちは怒っています」あたりで露呈化されているけれど。


一応新聞界隈も本当の意味でのリストラクチャリングはしてる。数字でもその動きは把握できる。でも現状には追いついていない。さらに新聞の衰退は実のところ前世紀から起きていて、ネットによる衰退はそれを加速させたに過ぎない。そして中の人達の質までは、すぐに数量化できていないけれど、多分に人数以上に劣化しているのだろう。あるいは元々その程度だったのが、より鮮明に可視化されるようになったのかもしれない。

問題なのは上層部などが旧態依然の発想を持つ者、意識改革が十分でない者が多く、衰退する組織の常にある通り、必要な人材が欠け、質の低い人員が残る状況が続いているのが現状かな、と。良き人材から離れ、固執する悪しき人員のみが残る。人数は減っても、それ以上に平均的な質が落ち、悪しき人員が目立つようになる。加え、新人の質的教育システムが壊滅的になっているだけでなく、新時代の情報発信にマッチしていない。昔ながらの悪い部分、旧態依然の発想のままの新人が創生される。タクシー会社に入社したら、なぜか人力車の運転の仕方を教えられた的な。


報道界隈の不祥事や不条理が目立つようになっているのは、この指摘も一因なのだろうなあ。事の良し悪しの「事」には、現状の情報、報道に対する人々のモノの見方や取り扱われ方、技術なども含まれる。現状に合わせた対応、姿勢を取ろうとすると、上の人達の考えとは当然異なるので、「自分にとって心地よくないことは悪いことだ」と判断され、つまはじきにされる。それよりは頭を下げて従っていた方が楽なので、劣化したものがどんどん再生産されてしまう。これでは全体として、世の中についていけるはずがない。

じつのところこの構造、現役、意見力のある高齢者が全人口構成比で多い、日本の社会全体に置いてもいえることなんだよね。それが報道、とりわけ新聞では顕著化していると見ると、色々とすっきりする次第。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2016年8月15日 07:44に書いた記事です。

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