Kindle Unlimited的な読み放題サービスは図書館や本屋のもう一つの意義に焦点を当てると大きく化けるかもしれない

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内容がごっそりと変わってスタート時の魅力が穴の開いた水風船状態となってしまったKindle Unlimited。Kindle Unlimitedに限らず読み放題的な電子書籍サービスは他にも色々とあるし、ウェブ上で展開しているウェブ漫画や小説の類も、横断的な利用は面倒ではあるのだけど、論理的には似たようなもの。

一方で物理的な存在の図書館や本屋には、その場所に足を運んで見渡すことで、自分が普通なら興味関心の無かった作品と出会える、偶然の出会いが得られるとのメリットがある。検索を行い、あるいはブックマークやしおりをたどり、自分の興味関心のある作品にダイレクトアクセスするウェブではかないそうにない。最近では各種データを用いて「あなたに興味がありそうなもの」「これが人気です」的なアプローチをかけてはいるけれど、広告の類と同じような認識をされるため(実際に広告なのも多々あるので始末が悪い)、無意識のうちにざっくりと認識から除外されてしまうのが難点。

で、今回のKindle Unlimitedの利用をしている人の感想にいくつか目を通したのだけど、今件上げたものと似たよう感想を抱く人が結構いた。普段ならチェックしないであろう作品、頭の片隅にはおいあったけど優先順位が低かった作品を読んでみた、案外面白かった、続きが読みたい、などなど。この流れって、まさに図書館や本屋での「偶然の、奇跡の出会い」に近い気がする。

具体的手法は頭の中に具象化されていないけど、この傾向を分析し、さらによりよい、利用者にとっても心地よい(広告のようなうざったさのない)出会いを提供できるようになれば、Kindle Unlimitedのような読み放題サービスは、今のジャンク街的な存在から一挙に素晴らしい図書との出会いの場に昇華できるような気がする。

個人的には将来にならないと無理だろうけど、実店舗や実図書館のような存在を仮想空間に作り、その中をVRを使って利用者は行き来し、本を手に取り読み、面白かったらその場で電子書籍として調達したり、さらにはリアルな書籍としてオーダーするなんてことができると......面白いなとは思う。これ、図書館に限らず、ホビー系のあれこれにも通用しそう。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2016年9月 6日 07:39に書いた記事です。

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