所得格差、最大を更新...高齢者と単身世帯増加で(読売新聞) - Yahoo!ニュース https://t.co/q6HrfkJ2vo #Yahooニュース 解説ができず、全当職が泣いた。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月16日
先日発表された、3年おきの調査「所得再配分調査」の最新版となる平成26年分の結果とその内容に関する報道。記事タイトルだけを見ると格差が拡大してヤバい的なものが複数の報道で伝えられ、それのみで反応する界隈もちらほら。で、今記事ではほとんど言及されていないけど、このジニ係数における増加、つまり格差の拡大は、年金生活者の(人口構成比)増加が原因。年金生活者(就業継続者も含む)は公的年金が収入のメインとなるし、補完を貯蓄からの引き出しで成すのだけど、それらは当初所得を基にしたジニ係数の計算では計上されない。要は、見かけの収入はゼロ、あるいはごくわずかだけど、年金や貯蓄の切り崩しで生活していくって人が増えているので、収入のみで貧富を勘案したら、そりゃ貧困に見える人が増えても当然の話というもの。
一次資料は 平成26年所得再分配調査結果について https://t.co/PrceTbDiAO
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月16日
今件に関しては一次資料および本文でもわずかに触れられていますが、多分に年金生活者の(人口構成比)増加が原因です。現役を引退した高齢者世帯は所得の大部分が公的年金給付で、さらに不足分は貯蓄からの引き出しとなるため、ジニ係数の計算上は計上されません。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月16日
例えば2014年全国消費実態調査から高齢者の年金生活(無職)夫婦世帯の家計実態を確認しますと、家計収支の総額は26万3758円ですが、そのうち年金などは21万4200円、貯蓄の引き出しは3万5546円、その他就労などによる所得は1万4012円となっています。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月16日
年金暮らしをしているお年寄り夫婦のお財布事情を詳しくグラフ化してみる(2016年)(最新) https://t.co/IoucUnJjC9 pic.twitter.com/NzlO6abgpg
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月16日
他方、報道資料では詳しく言及されていますが、「年金等の社会保障や税による再分配後の所得のジニ係数は前回調査(平成23年)より若干減少し、0.3759(前回比:▲0.0032ポイント)となり、 ジニ係数でみた格差は拡大していない)」と出ています。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月16日
一部報道では題名などでこの実態をぼかす形で伝え、注目を集めるような表記をしていますが、報道の姿勢としては好ましくないと記しておきます。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月16日
で一次資料を見ると分かるのだけど、公的年金などの給付金も合わせた場合のジニ係数も計算されていて、それだと値が減少、つまり格差は縮小している。どちらにしても数字としてはごくわずかで、ぶっちゃけると増減は誤差の範囲なんだけどね。
この辺りまで確認しないと、公式発表された、一次資料による情報の本意は分からない。本来はこの辺りまで報道は伝えるべきなんだけどね。
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