VRでやる価値があるものは「不可能なこと」「実際やると非常にハイコストなもの」につきる。「VRでテニスできます!超リアル!」って云われても、いや普通にテニスやれよ、そっちの方がリアルやろw ってなるでしょ。
— 安藤晃弘 (@tezumashi) 2016年9月18日
効率の差こそがビジネスチャンスなのだ。
その通りで森羅万象にバーチャルを付けてみる企画はIVRCの書類審査くらいで卒業してほしいところ。一方現実で普通にできることをとっても簡単に(例えば指先だけで)安全にできるという方向性は格闘技ゲームとかでままある。 https://t.co/IBIWidE2Hi
— 稲見昌彦 Masahiko Inami (@drinami) 2016年9月18日
@drinami で、現実で普通にできることは拡張というAR/AH的方向性もあるけど、拡張ってバーチャルと違って明確なゴールを示す言葉でないことは要注意。だから僕はEnhanceよりEnchantの方が目標として適切だと考えている。
— 稲見昌彦 Masahiko Inami (@drinami) 2016年9月18日
これは指摘されて、あー確かにその通りと実感したもの。ARにしてもVRにしても、こんな技術があります、現在進歩発展中ですって状態にはあるけれど、それを使ってどのようなものを創り上げていくのか、ビジネスとして役立てるのか、普及浸透させいくのかってのは試行錯誤五里霧中。技術の良し悪しと、多くの人に注目を集めてもらうとか普及浸透するとかお金儲けができるとかは別の問題で、そのリンケージの難しさは、技術関連の展示会を見ればよくわかるはず。「こんな技術があります」とアピールするけれど、「それで何が良くなるの?」「何が効率化できるの」「どれほどの利益が望めるの」「どれだけ多くの人の役に立ち注目されるの」とは別問題的な。まぁ、その辺りのコーディネーター的な役割の人こそが、今の科学技術には必要な感じもするのだけど。
で、ARやVRではアプローチがし易い、目立ちやすい、分かりやすいなどの理由で、普通の社会環境でもできそうなことを行わせるケースが多い。頭の中に従来の行動がイメージできるからね。でもそれではメリットを見いだせない。Enhanceとは高める、高度化する。Enchantとは付加する、付け加える。単に普通にでもできることを高度化するよりは、普通ではできないことをできるように体験させてくれる方が面白いし、興味関心は沸くし集客もできるだろうしビジネスにもなりやすい。
1800RT:中二全開のVR剣戟ACT『サークル オブ セイバーズ』に脱帽、「やれば分かる」の概念がぶち壊れる https://t.co/aTPcEyKDxn #TGS2016 pic.twitter.com/1QZtACKBsr
— インサイド (@INSIDEjp) 2016年9月18日
ほぼ同じタイミングであがってきた、これこそが、多分にEnchant的な、目指すべきバーチャルの方向性では無いかな、と。新聞を丸めて棒を創って振り回す事は誰にもできるけれど、それを剣に見立てて目の前にどでかいモンスターを相手にぶん回して戦う。自分の剣からは魔法の炎がほとばしる。これは頭の中でイメージはできても、ビジュアルとして自分の目に見える形では到底不可能であり、まさに現実には不可能なこと。
以前もちらりと触れたけれど、ゲームやドラマの世界の中に自分が溶け込むってのは「現実ではできないこと」であり、それはまさに作品における聖地巡業とか、某Dランドで楽しむひとときに他ならない。他方、最近ちらほら触れている「バーチャル本屋さん」の場合は、極論として普通の本屋さんへ足を運べば同じようなことができるのだから、魅力に欠ける。だから別の観点でメリットを探し出す必要がある。
この辺りを考えていくと、ARとかVRへの見方も、ちょっと変わってくるかもしれない。
コメントする