デザイナーが馬鹿げたタダ働きにNOと言うべきことが分かる動画 https://t.co/wYTB93SAuK 「スペックワークを平たく言えば、「気に入ったらお金を払うよ (気に入らなければ払わない)」という類のクライアントからの要求」
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年9月26日
先日ちょっと触れた、サービス残業はタダ働きと同じだから止める・止めさせるべきだという、ふと立ち止まって考えれば当然だよね、的なものと近しいお話。
スペックワークとは広告や情報産業などの第三次産業では結構よくある話で、簡単にまとめると「試しに作ってみてよ、よければ買うし、よいお客さんになってあげるかもしれないから。でも気に入らなかったらお金は払わないよ」的なアプローチのこと。レストランを訪れ「ただで実食させろ。美味かったら料金払う。そして今後も足を運ぶかもしれない。でも美味くなかったらタダね」的なものという例を挙げればわかりやすいだろうか。
米国のAIGA(デザイン団体)ではクライアント:そうですか・・・。では、クライアントはどうやって増やしていくんですか?
額縁店オーナー:クライアントは私を信用しているし、私の仕事のクオリティを気に入っているんだ。
スペックワークを提唱している側は、巧みにビジネスのルールを自分の都合のよいように軌道修正して、それをビジネスをしている側が「違うよ」と突っ込みを入れてはねのけている。
「飲食店店員:世界中どこでも通じるルールを教えてやる。まずお金を払って、それから食べるんだ」も、単独で見れば当たり前の話でしかないのだけどね。ミシュランの人がこっそりと普通の客に交じって、普通に対価を支払って精査する。これは当たり前。「俺様は雑誌関係者の人だ。ただ飯食わせろ。美味かったら雑誌に載せてやるかも」とドヤ顔で店主に注文したら、塩をまかれるのがオチではある。
これ、原文では指摘されていないけど、スペックワークに関しては、さらに悪用する界隈がいる。要はタダで試食ってことなんだけど、それをあちこちで繰り返して、コストを下げるケースが無いとはいえないのだな。一回一回別の場所でならまだしも、同じ場所で何回も。そしてそのうちの数回はそれなりに仕事として対価を支払うけど、逆にそれを担保にする形で「今回も先の仕事のように契約して対価を支払うかもしれないので、まずはスペックワークで」と投げかけ、結局止めた、的な感じに。10本分の仕事をしても、得られる対価は3本分ぐらいなんてことになる。
業界の慣行だから、うちではそうなっているからと、タダ働きを強要する界隈は、単なる無知か、それとも依頼先の仕事の内容を軽んじている可能性が高い。そのような相手と仕事をしても、何も良いことは無い。動画の人たち同様、拒絶するのが一番なのだろう。
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