新聞やテレビの誤報・虚報の扱い方に関する疑問

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先日一面で伝えられ、情報が伝播して大きな騒ぎとなった、ダム底のセシウム問題。結果としては伝えた毎日新聞の誤報......というよりはもうこれは虚報としてもよいレベルの単純なミスで、どうしてこのレベルの間違いがよりによって一面で伝えられたのか、記事の校正経路で誰もチェックしなかったのか、できなかったのかなど、色々と疑問はあるのだけど。

それに関する訂正がこんなもの。以前の報道に対するストレステストへの提言でも言及したのだけど、誤報を見聞きした人が、訂正報を知り、記憶を上書きできるとは限らないし、普通の人は誤報の欄まで目を通さず、テレビの番組で語っても注意を払わない。相応のリソースを割き、注目させねば先の誤報で間違いを記憶に刻んだ人は、そのままで日々を過ごし続けることになる。

報道にとって情報は商品に他ならない。危険な異物を混入させたまま、その商品を回収せずにほんのちょっとだけ注意喚起をしてオシマイということが、果たして許されるのか否か。たかが情報と侮ってはいけない。人にとって情報は判断基準となり、行動の方針となりうる。当事者、周辺にいる人たち、さらには社会全体の損失のきっかけとなりうる(吉田問題が好例だね)。


「早さや注目を集めるのが最優先事項であり、ミスなんてあったって別にいいじゃない」「間違ったらちょっとだけ頭を下げててへぺろーをすればそれで許してもらえる。だってぼくたちは社会の公器で文化で正義だから」的な感はある。

今の新聞や雑誌、テレビなどの訂正コーナーなどのタイトルは、訂正する側の姿勢を見る限りでは、正直に「てへぺろ」と名前を変えた方が正直なのかもしれない。そんな戯言があまり冗談には思えなくなる昨今ではある。


要約するとそういうことなんだろうな。正義感よりも責任感。今の日本の報道界隈に必要なのは、それなのだろう。やはり、今件のような誤報を成した場合、少なくとも誤報に至るまでの状況の完全な把握とその公開、再発防止策の構築とその実働を成し、それを公開し、第三者に正当性を認められるまでは、該当する営業行為の停止が必要。いわゆるストレステストの実施という次第。

電力会社やファストフードチェーン店に似たようなことを求めているのだから、報道も同様の対応をして当然だよね。

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このページは、不破雷蔵が2016年10月 5日 07:23に書いた記事です。

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