フジの「豊洲の柱」や毎日の「真逆な計測値」問題は一歩間違えれば、役員総辞職レベルの話なのですけどねえ。テレビも新聞も情報が商品。その商品で重大な悪影響を多くの顧客にもたらしてしまった。食品会社が毒入りの食品を販売し、しかもそれを暫くしらばっくれていたようなものですから。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年10月4日
毎日新聞の朝刊一面で、某ダムの底にヤバイ量のセシウムがあったよ的なことが伝えられ、のちほど「間違いでした、てへぺろー」レベルでのみ訂正がなされた件。情報を顧客に商品として呈するのが新聞やテレビ(豊洲の場合)なのだから、その商品が間違いだったこととなれば、もっともっと重大なお話だと認識するのが必要。
例えば傷薬を販売する会社の商品で、実は化膿が悪化する成分が混じっていたりしたら、大騒ぎになる。火が出る扇風機などもそう。今件は多くの周辺界隈に大きな影響、しかもマイナスのものが生じする以上、まさにそのレベルの話。近所から逃げた犬は三匹では無くて二匹でしたとか、猫の名前はミャーではなくニャーでしたとか、お昼時に首相が食べていたのはコロッケカレーではなくカツカレーでしたとかいうレベルの話じゃない。
少なくとも状況の完全な把握とその公開、再発防止策の構築とその実働を成し、それを公開し、第三者に正当性を認められるまでは、該当する営業行為の停止が必要。ストレステスト。
①震災から5年半以上経った現在
— 林 智裕 (@NonbeeKumasan) 2016年10月5日
②中央メディア1面で、故意ならイデオロギーに偏向した悪質なデマ、能力不足なら新聞社のレベルが疑われるレベルの誤報が載り
③訂正は遅い、極小、説明不足で一般の読者に伝えようとする意図があまりにも少ない
原発事故報道被害の検証と総括が必要な時期ですね https://t.co/x1yEy48bUC
この辺りの指摘を見て考えるに。毎日新聞のダムに関わるセシウムの「誤報」問題で、誤報内容そのものよりもむしろ問題なのは、報道内容に関わる知識、経験を有する記者・編集ならすぐに疑問符を呈するレベルの内容に関して、どこからもチェックが入らないまま朝刊一面トップに掲載された、その体制にあるのかなという認識も。
例えば最近可視化が進んでいるとの認識もできる、記者の公式アカウントによるソーシャルメディア上での発言。いち記者の発言内容にミスがあったとしても、その場合はその記者の知識の問題、単なるミス、悪意によるものなど多様な可能性はあれど、その記者個人の可能性が多分。新聞社が全体の意思として、その記者に語らせることは、あまり考えにくい(部局など、擬人化した公式アカウントならともかく)。
しかしながら今件は、複数のチェックを渡った上での記事。しかも朝刊における一面である以上、埋め草的な記事と比べ、多大なチェックがなされていなければならない。雑誌ならば表紙と巻頭カラーグラビア。人気女性アイドル歌手の掲載をうたっておきながら、表紙にもグラビアページにもゴリラが掲載されていたようなものだ。しかも文面はアイドルに対するもののまま。
これはチェック経由において、該当方面でまともに精査できる能力を持つ人がいないこととなり、同時に毎日新聞における同方面での信ぴょう性が著しく損なわれた、あるいは元から低かったことを意味することになる。たまたま、偶然に、複数のチェックを逃れた可能性もゼロではないけれど、それはゼロに等しいか、あるいはチェックそのものが成されていなかったか。
高濃度セシウム:福島第1周辺のダム底に堆積 - 毎日新聞 https://t.co/dVROdQeIgV 「今後は事実関係の確認を徹底します」。これまでしていなかったのかしら。加え、「訂正しました」の部分を朝刊一面で掲載する必要はありますよね。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年10月5日
あー、こりゃ酷い。もう毎日新聞さんは放射線関係で数字に触らない方がいいですね。 https://t.co/oWaJn843xl
— 竜田一人 (@TatsutaKazuto) 2016年10月5日
この記事は同省の調査をもとに、東京電力福島第1原発の周辺にある10のダムの底に、放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレルを超える土がたまり続けている問題点を指摘しました。その上で、表層の水の濃度は国の飲用水基準(1リットル当たり10ベクレル)を大きく下回る現状を伝えています。
検出下限値の意味を十分に理解しないまま同省のデータを引用し、社内のチェックも不十分でした。今後は事実関係の確認を徹底します。
先日になってウェブ上には上記のような訂正がなされた。しかしその内容は公開された範囲だけでもひどいレベルのミスで、しかも紙媒体のみを読み通している人には届かない。
毎日新聞による「大柿ダムのセシウム」誤報案件は、この行楽シーズン真っ只中において、本当に余計な事をやってくれたと思うよ。沈黙したままの小川一取締役にも何か言って欲しいね。
— 井上リサ☆只見川紀行・秋 (@JPN_LISA) 2016年10月5日
浸透した情報の訂正には、浸透した時に用いた時のの何倍ものリソースを投入しないと届かない。しかも同じ条件で。交通事故が発生した時に、目撃証言を得るためには、同じ時間帯、さらには同じ曜日、その上類似した天候や周辺環境の状況時に聞き込みをしなければいけないし、それでも事故当時と同じ人がその場を通るとは限らないのと同じ事。家電会社が商品でトラブルを起こした際、繰り返しテレビCMを打ち、新聞広告を掲載し、ハガキを投函し、電気店にポスターを貼り、ウェブ上にお知らせを載せ続ける。それぐらいの努力が求められる。要は、間違った情報=商品を得て被害を受ける可能性を極力減らさねばならない。
それができないのならば、公器を名乗ることはできないし、さまざまな保護を受ける権利もない。ましてや「報道」を名乗ることなどおこがましい。
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