だまって相手の悪癖を受け入れることと、しかるべき対応で返すこと。どちらが「大人の態度」なのか

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これは特定事案に限った話ではなく、昨今あちこちで目立つ形で見受けられる話を、包括的に考えると浮かび上がる思惑の一つ。自分の権利だから、主張だから、感情だから、こうに違いないからと傍若無人な、理不尽な、ましてや不法・違法行為を繰り返す界隈に、大人だから、反応したらきりがないから、報道やジャーナリストの類がうるさいからとおとなしく従っていたり、正しい手立てを打つ権限を与えられているにも関わらず、それを行使せずに大人しくしていると、相手は「ここまではやっても良い」と学習し、その行為を繰り返すようになる。

つまみ食いをしてばれても、軽く「ダメですよ」と言われるだけであとは何もされない。罰則も何もない。宿題を忘れても何のペナルティも無く「次からはちゃんとしてくるように」と言われるだけ。これが繰り返されると、つまみ食いや宿題を忘れてもちょっと言われるだけで実質的に自分には損失が生じない、利益よりも損失の方が小さいと判断し、その行為は有効だと学習してしまう。

もっと端的に例えれば、1億円を盗んで捕まったとして、罰金が100万円に留まり、盗んだ1億円も返さなくてよいし、法的な処分を何も受けなかったら、どうだろうか。9900万円の丸儲けになる。理屈はこれと同じ。

複数方面でこのパターンを見受けるのだけど、そろそろその「悪い事をしても損をしない経験則による学習」を止めさせるためにも、正当な権限でもって相応の対応や姿勢を示し「これまでは黙って見過ごしていただけだ」との意思を明確に示し、正しい学習をさせるべきタイミングではないかと考える。かの界隈の学習による行為が、他の第三者にとって、多大な損失に関わる話であるのなら、なおさら。上の例ならば万引きとかが好例。

大人だから相手の悪業にも黙っている、大人しくしている、なすべき対応をしないのは、正しい対応ではない。悪業をされた側は当然理不尽さを覚えるし、第三者も世の中の秩序に従っているにも関わらす損失を被る自分の正当性に疑問が生じてしまう。そして理不尽な行為を成してくる側にとっても、正しい学習機会を失う、長期的に見ればマイナスとなりうることに違いない。

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このページは、不破雷蔵が2016年10月20日 08:00に書いた記事です。

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