「自分は元々読まないし買わないから違法ダウンロードして読んでも問題は無いし売上には関係ない」という発想

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インターネットによる不特定多数への情報拡散の容易さと、そのネットへ他メディアからの情報のコンバートが楽になったこと、さらに情報の価値の希薄化、フリーミアム的概念の浸透に伴い、このような発想を抱く人が増えているのは肌身をもって感じる。それ系のサイトは撲滅されることはないし、作家先生が嘆く対象として挙げている事例とか、やらかす側の会話のあれこれを見聞きしたり、自分自身も被害を受ける側として応対した経験なども合わせ、何か軸がずれている、別の世界線に居る人と会話しているような、言葉は通じるのに話が通じない、的な。

似たような話はいわゆるマジコン、家庭用ゲーム機のソフトをコピーするツールを、保護者が子供の為にという大義名分を振り回して濫用する状況にツッコミを入れたら猛反撃を受けた話でもあったなあ、ということを思い出したりもする。


無論最初の漫画で指摘されているような事例ばかりではないし、本を買う際のパターンもそれだけとは限らない。ただ、例えば雑誌の場合、どうしても見たい連載の部分だけのために雑誌全体を買い、他の連載もつい読んでしまうケースがほとんどのはず(ジャンプを買ってワンピースだけを読む人ってどれだけいるのだろうか)。バイキング料理を食べる際に、ローストビーフだけを食べる人がどれほどいるのか、そんな感じ。

また、最初の例に限れば、「自分は元々読まないし買わないから違法ダウンロードして読んでも問題は無いし売上には関係ない」とする考え方は、一見すると正しいように見えて大いに間違っている。元々読まないし買わないのなら、今読んでいるのは何なのだろう。試し読み? でも手元にあるのはサンプルでは無くて全体だよね。ならばあなたは試食と称してお弁当そのものを手に取って店から出ているのと同じ。「元々買うつもりもないし」というのは通用しない。

このような話が出てくると、キンドルなどの電子書籍で「データの取得権利」ではなく、「閲覧許諾権利」の販売をしているという仕組みにも、なるほど感か出てきたりする。読む時点で権利を行使したということになれば、明確に「違法ダウンロードの利用は売り上げに影響がある」と言及できるからね。映画館の裏口から入って、入場料を払わずに観覧するようなものだから。


アップロードをする側も、中には罪の問題を意識していない、知らなかったというケースもあるかもしれない(アップローダーの中には不特定多数のアップを引き受ける、共有サイト的なものもあるらしい)。その類には、こういった明確な意思表示、警告をしておくのも有効なのだろうなあ、と。先のスクリーンショットでの改ざんと似たような話で、明確な「やってはいけない行為である」との表明を成すことができるからね。

あとは......最近ちらほらと話が出てるのだけど、結局のところ「やったもの勝ち」的な状況にあるのも一因かなと思ったりする。やられた側が泣き寝入りをしないよう、成すべきことは成していく必要もあるのだろうな。

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このページは、不破雷蔵が2016年10月24日 07:44に書いた記事です。

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