すぐに効果はでない改善と数字には表れない全体評価と

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ウェブ上に雑誌や新聞の記事が転用される際に、問題視されるのがアルファベットの表記問題。何度か取り上げた記憶もあるのだけど、色々な理由でなかなかウェブ上の表記にマッチするような半角処理はなされず、全角で表示されたままの状態が続いている。英語圏のウェブを見れば、半角表示ができないなんてことは無く、多分に内部的な理由によるもの。六万歩ぐらい譲ってリンクをそのまま半角で書くと、相手がアクセス過多になるからという理由はちょっとは成り立つかもしれないけど(今ではそのような心配もほとんど無用なんだけどね)。

で、朝日新聞に限らず主要新聞社は大抵こんな感じ。というか、デジタルで入稿しているのが多分なのだから、わざわざ全角に直すという意味が分からない。この辺りの旧態依然度合いは、出版社の「本屋で買って、統計が取れないから、ネット通販で買っても作品継続の後押しにはならないよ」的な話とつながる感は強い。


で、状況が変わらない理由としてよく挙げられているのが、このような説明。文字表示を改善しても、ページビュー(PV)が上がらない、つまり読み手が増える、好感度が増すなどの数字的成果が見られないというもの。例えばページめくりに数秒かかっていたものがゼロカンマ数秒にまで短縮されれば、大きなプラス効果はあるだろうけど、文字表記の変更ぐらいでは具体的な数字のアップは見出しにくい。おそらく変更しても「この変更のおかげでこれだけ成果が出ました」なんてのは算出不可能だろう。

ただ、読み手にとってハードルが下がる、読みやすくなるのもまた事実。専門用語でどのような表現をしているのかは分からないけど、数字には表れにくいレベルのパラメータにおいて、確実に変化は生じている。そしてそのような項目はたくさんあって、その要素次第で全体としての好感度、利用価値、継続利用の判断のラインが上下していく。見方を変えれば全角表記という使いづらい施策を継続することで、魅力そのものが少しずつ落ちていると見ることもできる。

RPGならばスペック一覧には表示されない、隠しパラメータみたいなもの、と表現すれば分かりやすいだろうか。まぁその辺りは意思決定をする界隈は、ある程度認識していると思うのだけど......。

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このページは、不破雷蔵が2016年10月28日 07:15に書いた記事です。

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