「年金国債」の発行と日銀による全買い取りという発想

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インフレ、言い換えれば通貨紙幣の額面に対する価値の減退、を緩やかに成すようにするのには、一番単純な方法としては流通しているお金の量を増やせばよい。お金は価値の物差しで、対象となる価値がそのままでお金の量が増えれば、価値に対する額面は大きなものとなる。希少なアイテムに対して価格が高騰するのと、お金・商品の動きが逆になった感じ。商品が10で流通しているお金が100ならば、1つの商品につきお金は10だけど、お金が1000に増えれば商品1つ辺りは100となる。

無論現在の経済では国家間取引や物理的な存在でない商品も多分にあるし、投資方面のお金の動きもあるし、金本位制でもないので、一概にこの考えだけでインフレ・デフレが決まるわけではない。でも基本はこの動き。お金の流通量が増えるってのは、多分に商品調達に使われるお金の量が増えること、企業や個人の懐が金額面で豊かになることでもある。それがいわゆるヘリコプターマネーの大筋......と見ればよいのかな。

で、これを行う、インフレが生じると、当然通貨紙幣やそれに準じる額面当たりの価値は落ちる。1万円(の債券でも証書でもいいけど)でケーキが10個買えたのが、インフレになると5個しか買えなくなる、的な。なので、現金や債券など、金額ベースで資産を持っている人は大反対をする。自分の貯めていたものの価値が下がるわけだから。逆にデフレは大歓迎。価値が上がるのだからね。

一部界隈でヘリマネ危険、インフレ危険、緊縮財政大賛成とお騒ぎになられる界隈があり、多分に高齢層が賛意を示しているのは、この辺りが要因ではないかなあ、という感が。金を持っている人にとってはインフレは困る、超困る。成長なんて知ったことではない、その頃には自分はもういない。それより今をハッピーに過ごしたいから、的な。

ならば年金を補てんする目的で「年金国債」といったものを発行し、全額を日銀に買い取ってもらえば良し、と。通貨流通量は増える、日銀買取なので利子のほとんども結局は政府に返ってくる。なんなら指摘の通り、国債そのものを年金の一部として配るのもありだろう(現状の金額にプラスする分を、になるのかな)。


例の震災のどさくさに紛れて施行された天下の悪法、復興特別所得税は2037年まで。それに合わせて、2037年までの時限立法で、財源が不足するリスクがある年金に関して、年金国債で補てんする。色々と練りこむ必要はあるだろうけど、悪い話では無い気がする。

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このページは、不破雷蔵が2016年10月29日 07:57に書いた記事です。

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