公的機関・公共事業は「儲けが出ない」が基本

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以前ツイッターを日本が国として買収して国営のインフラ的なものにしてはどうか、直接国営がマズいのなら公的機関的なものにしても良いのでは的な話をしたら、「儲けが出なければダメだ」との反応が複数寄せられて、ちょっと目を疑ったことがある。公的機関・公共インフラにおいて、まず金銭的な儲けのあるなしを勘案する必要があるってのは、私企業の企業買収と勘違いしてないかという感。

砂漠に穴掘って埋めろってのは極端な例だけど、公的機関が成すべき事業は基本的に、金銭的な儲けは出ないかもしれないけど、社会的な有意性があるもの、数字化は難しいけれど社会国家に益を成すもの。それを成すための税金であり、その勘案を行うのがプロである議員や各官公庁の役人である。

儲けが容易に出て社会的公平性に問題が無ければ、民間に下しても良し...というかむしろその方が良い。たとえば大学なら、私学であれば採算性も重視すべきだけど、公学ならば採算は度外視が原則。

無論、無駄遣いとは別次元の話。日々酒飲んで肉食って遊びまくり、社会貢献は何もなされない事業に投資しろ、という話ではない。

公的機関への意見をする界隈とか、財務省界隈では「無駄遣い」と「社会的に有意義、多くの人たちに数字化しにくい恩恵をもたらすもの」との区別ができない人たちによる悪癖が生じている感は否めない。

「公的事業は基本的に儲けが出ない」「儲けは出なくても、金銭上の数字には表れないけれど社会体制の維持進歩発展に欠かせない仕組みへ注力する。そのための税金」との話をすると、必ず「儲けを出すべき」との突っ込みがある。ならば利益が出ていない社会保障を全廃しましょうか? で返事はオシマイとなる。「よろしい。ならば最初にあなたの各種社会保険と、そしてもしかしたら受け取っているかもしれない年金を廃しましょうか?」となるのだよね。答えとしては。

この辺り、国債とか「国の借金問題」も合わせ、企業体や世帯単位でのお金の勘案と、国家レベルでの予算周りの動きとをごちゃごちゃにしている感じがする。そしてそれらは多分に、「お金は汚いものだから、言及するのも学ぶのもタブーだ」とする、お金への忌避感が影響しているのだろうなあ。

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このページは、不破雷蔵が2016年11月 4日 07:51に書いた記事です。

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