風邪をひいたら休むのが正義、無理して出社しても自分も周囲も不幸になる

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風邪薬を売る側としては「お客の需要があるから」との説明に終始するのだろうし、このようなセールスポイントをアピールしなければ売れにくいというのもあるのだろう。また、管理職サイドとしても精神的な意気込みとかスパルタとかいう発想や、仕事の中身や効率よりもとにかく頭数をそろえておくのが大切だ的な発想が多分にあるので(残業を重要視するのもその流れ)、風邪をひいたり体調不良を起こした社員に、多分に無理をしてでも出社しろ的な雰囲気がある。

でもこれは多分に非効率的。確かに頭数はそろうし、お休みをした時と比べるとその時点でのその部局、社としての仕事は進むかもしれない。しかしながら体調不良時の意思決定や作業の効率や精度は確実に通常時と比べて劣化しているし、トラブルの可能性も底上げされる。その上、感染するリスクがある病気の場合、無理して出社した本人の病症悪化だけでなく、周囲にいた人にもうつる可能性がある。仕事の効率を上げるために無理に出社した、させたのに、結果として全体の効率をさらに落としたのでは話にならない。

そんなリスク山盛り状態で、さらに病気になった本人には苦行以外の何物でもない行為を強要するよりは、しっかりと静養させて完治させてから穴埋めをしてもらった方がはるかに良い。......というか昔の作品とか読むと、せいぜい病症でへたばっている自宅に時折電話がかかってくる程度で、無理して出社するって描写は、今と比べるとさほどなかったような気もするのだけど。

そのような所業、リスクの積み上げを、社会的立場のある企業が自社商品を展開する大義名分として宣伝に用いて良いのだろうか、という感はある。


事実確認をした上で。「「風邪でも出社した」は美談では無くただの迷惑行為」。これが社会認識として広まることを願ってやまない。

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このページは、不破雷蔵が2016年11月 7日 07:45に書いた記事です。

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