米グーグルが虚偽ニュースサイトに掲載されている広告を引っぺがすという話

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米アルファベット(GOOGL.O)傘下のグーグルは14日、同社の広告配信サービス「アドセンス」を通じて提供する広告が虚偽のニュースサイトに掲載されないよう規定を変更する方針を明らかにした。グーグルの広報担当者は「発行者の情報やコンテンツ、ウェブサイトの主な目的を曲げたり、不正確に伝えたり、隠したりするページへの広告掲載を規制する」と説明した。

先日選挙人の選挙が終わった米大統領選。色々と混乱が生じているけど、ネットを用いた情報戦、ソーシャルメディアを活用した選挙戦はオバマ大統領の時に大きな話題を集めており、今回が初めてではない。ただ今回は、結果がメディアの予想(!?)とは異なるものになったことや、両陣営が共に多用したために誹謗中傷の類が多く、ダミーやら偽情報が乱舞してぐだぐだになったこと、加えて本来このような状況では信ぴょう性の高い、公明正大な情報を配信しなければならないはずの大手メディアが加担した感が多分にあることで、選挙が終わった後も大きな論議が続いている。

で、今件もその一端というか、余波的なものの一つ。元記事では「Facebookがトランプ氏に有利な情報を云々」とあるけど、ロイター電の元記事にはもっと詳細な話があるので、そちらを参照した方が良い。恐らくは数日中にSEO関係のサイトが訳してくれるだろうけど。

ざっと読みすると、米大統領選における情報戦がトリガーであること、そして偽情報を意図的に流すニュースサイトのモチベーションの一つにはグーグルの広告プログラムによって得られる収益があるので、それを断ち切ることで偽ニュースが減るのではないかとしている。ただし、情報の真偽性をチェックするのには現行のプログラムでは難しそうだし、人的なチェックにはリソースが足りないのでこれも難しいとの話。

「偽情報によるニュースサイトのモチベーションは報酬で成り立っており、そのメインの一つがアドセンスに他ならず」「ならば情報の真偽に関して精査をして、偽サイトならば確固たる措置を取ろう」との姿勢は、大いに注目したい。これまでは明らかにフェイクなサイトでも、よほど反社会的・倫理観に反したものでない限り、許諾されていたからね。

他方、例えば創作系のサイトの場合はどうなるのだろうかなど、線引きが難しいところでもある。また「これは諸説の中の一つの話で、間違いとは言い切れない」「これが虚偽だというのなら、それを立証してみせろ」といった類の反論が来たらどうするのかな、とか。

さらに、広告部門と検索部門は別物で、互いの情報交換はしているだろうけど、他部門への助言や要請の類は基本的になされないし、したとしても受け入れられるはずもなく。広告の取り外しは一つの対策ではあるけど、(虚偽の)情報拡散そのものが目的である場合は、広告周りでは有効な対応となり得ないのだよね。

ホント、マジで色々と考えねばならないことは多いのだなあ、と。

最初のツイートでも指摘されているけど、信ぴょう性が奈落の底に落ちて機関紙と化している大手法人新聞社とか、悪質系まとめサイトとか、その辺りへの対応をまずはやってほしいのだけどな。今件は米国での話だから、日本へは波及しないだろうけど。

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このページは、不破雷蔵が2016年11月16日 06:55に書いた記事です。

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