逆転裁判4のレビューに付いたコメントで、体験版の状態が120円であることについて議論が起こっていますが、これを見ているとスマホゲームの価格に対する世代間ギャップを感じざるを得ず、これは業界にとっても深刻な話なんじゃないかと思えてきてます。(1/4)
— カムライターオ@iPhone AC (@Kamurai_Tao) 2016年12月12日
「スマホアプリは悪い文化、粉砕する」といった、どこぞで聞いたような言い回しがふと頭に浮かんでくるお話。スマートフォンの普及浸透で、ゲームの類はスマホアプリ経由によるところが多くなり、当然そのスタイルがスタンダードになると、その様式に従わない、違うものは「おかしい」との認識を持つようになる。で、スマホアプリはその多くが無料のもので遊ばれている、有料でも数百円台。ゲームのビジネスモデルとしては広告料だったりゲーム内の有料サービスやアイテムがメインだったりするわけで、これはパソコンのオンラインゲームと変わらない......というかそれがさらに極端化した感じ。
当然、その様式でないものを「高い」と考えてしまうのは自然に違いない。普段から無料、あるいは1個100円の菓子パンやおにぎりを食べている人にとって、一つ1500円のデザートは高いようにしか見えない(経験則多分に含む)。
若年層を容易にゲームの世界に誘導するのには、無料や低料金の窓口を開くのは容易な方法ではあるのだけど、それに慣れさせることによって、実は業界全体で首を絞めているのではないか......という指摘は大いに同意する。実はこれ、電子書籍周りでも起きている実感がある。冒頭のアレはむしろ「フリーミアムは悪い文化、粉砕する」と表現した方がよいのかもしれない。
ゲームを5000円や6000円で買っていた私たちにとって、公開されたばかりの逆転裁判4が120円なのはどう考えてもおかしく、「課金しないと序盤だけなんだろうな」と言うのは察しが付き、だからアプリの紹介文や注意点もチェックする訳ですが、どうもそうではない人が多いらしい。(2/4)
— カムライターオ@iPhone AC (@Kamurai_Tao) 2016年12月12日
スマホゲームは無料が当たり前、セールで数百円が常識の世代だと、逆転裁判4が120円でも何の疑問も持たず完全版だと思ってしまう人が少なくなく、そういう人は課金しないと序盤しかプレイできないと解ると、「安すぎるもんな」とは思わず「これは騙している」という考えになる模様。(3/4)
— カムライターオ@iPhone AC (@Kamurai_Tao) 2016年12月12日
説明を読まないのが悪いとかではなく、ゲームは基本無料か数百円の環境で育ってきたから、ということなんだと思う。彼らにとって逆転裁判でも120円は普通であって、そういう世代も相手にするとなると、確かにソーシャルゲームでないと利益を出すのは難しいのを痛感しますね。(4/4)
— カムライターオ@iPhone AC (@Kamurai_Tao) 2016年12月12日
「経験していないのだから、そのような感想を持っても仕方がない、むしろ当然」との指摘も納得ができる。ただ、注意事項を読む・読まないの話はそれ以前の問題で、単に軽率でしかない気がする。「自分が想ったから」で暴れてしまうのは仕方がないとしても、それを指摘されて「しまった、自分は間違っていた」と頭を下げて訂正するのならともかく「自分は間違ってない」「騒げば何とかなる」的な騒ぎ得、ごり押し的な風潮が見られるのは、昨今の相場云々とは別次元の話となるのかもしれない。
スマホアプリゲームの普及で多分なゲームユーザーを創生したのはいいけれど、その中身は企業が想定したようなものではなく、別の世界観を持つ人たちが多数を占めていた。育てていたハムスターが実はグレムリンだった、的な感じではある。これらの人たちの様式にあったものを創るように自らの施策を変えていくのか、あるいは少数派となってしまったかもしれない既存の価値観を持つ人たちを優良顧客として大事に取り扱うのか、その双方が共存できる場を提供するのか。
ゲームのビジネスはこれまで以上に手探りでいばらの道となっていくのだろうなあ......という感は否めない。
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