NAVERまとめに無断盗用された側がなぜ労力を浪費しなければいけないのか、そしてYouTube方式で対応すればよいのではとの話

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LINEが運営するキュレーションメディア「NAVERまとめ」も、「コンテンツを無断利用された」と被害を訴える人が多いサイトの1つだ。ライターの北本祐子さんは、個人サイトに掲載した画像をNAVERまとめに何度も無断で利用され、そのたびに抗議してきたという。今年2月には、企業が運営するメディアに寄稿した記事や画像を無断利用され、抗議したこともあった。だが、「驚愕の対応」をされ、泣く泣く削除依頼をあきらめたという。

DeNAのWelq問題を皮切りに一気に噴き出したパクリ、盗用サイト問題。元々堤防からあふれるばかりの問題があり、Welq問題はその堤防の一端を崩しただけな感じ。で、その総本山の一角ともいえるNAVERまとめに関しては、開き直りの形で「改善策」を公表したのは、先日もお伝えした通り。

で、そのNAVERまとめに関する話も色々と出てきているのだけど、これは以前から良く知られていたことの整理整頓された形でのお話。要は盗難の被害にあった側が、盗難をした側にお伺いを立て頭を下げ、個人情報を開示し、リソースを浪費しなければ、状況の改善の機会すら得られない。そして仮にそれらを成したとしても、失われた機会損失に対する補てんが無い。さらに同じようなことを相手側が繰り返しなしてくる可能性は多分にある。


NAVERまとめ側は自分のサービスの利用側の権利を高らかに語っているけど、先の主張「プラットフォームを提供しているだけだから、個々が利用していることまでに関知はできない」という話と合わせると、首を傾げてしまう。権利保護をするのなら、同時にやらかしたあれこれの責任もとる必要があるのではないか(対価支払いの時点で契約をしている以上、それ以前の問題なのだけどね)。これではまるで、子供の狼藉に対して被害者や第三者が罰しようとすると、子供の権利を主張して罰するなというけど、子供がした事には自分は責任は無いとする保護者のようなもの。

第三者の監視機構を設けるべきだとの話もあるけど、金銭的な問題とか権限とか、検索エンジン絡みを考えると、これも難しい。公的機関にするという発想もあるけど、言論統制とか色々と訳の分からない方向からの圧力がかかってきてしまい、問題が複雑化する。数年前に似たような話があったのを、覚えている人もいるでしょ? 公的発表が正しく伝えられてるか精査する仕組みを創ろうとしたら、訳の分からない解釈をし出して言論弾圧だとか陰謀論を振りかざしてお釈迦にしちゃった件。

ならば指摘されている通り、YouTube方式を行えばよい。申請があればまずは非開示に。そしてまとめを作った側の人が「権利に問題がない。盗用では無い」と申請して立証し、それが正しいものであり、まとめた内容に権利的な問題がなければ再開示。一定期間の異議がなければ、非開示は継続(つまり削除)するとともに、これまで開示されてきたことで得られた、まとめた側が盗用で得た不当な利益と同額を権利者へ支払う。

運営側は不当な利益として支払ってきた分=正当な権利者に支払った額を、不当取得したまとめ側に請求する。度重なる不当行為が確認されればアカウントの削除・再登録の禁止などの措置も行う。一度払った対価を再請求するのが大変ならば、まとめた側への対価は数か月単位でプールし、いつでも請求に応じられるようにすればよい。

この仕組みを用いることで、正当な権利を保有している側に、盗用者の記事を探して請求するモチベーション、意義が生じてくる。単に削除してもらうだけでなく、これまで喪失していた機会利益を得られるからね。


指摘されている通り、被害を受けた側がさらにリソースを浪費して、得られるものは既存の盗用品の削除でオシマイ。これまでの機会損失への対価も無いし、盗用した側の罰則も無い。結局、盗り逃げ勝ちをNAVERまとめ側が推奨しているのと同義となる。それが許される行為なのか否か。


当方のような個人的な情報展開をしている人ならともかく、新聞社や法人系のサイトの記事の場合、このようなケースも多々ある。これは指摘されるまで明確には認識していなかった(画像の無断盗用などでおぼろげに感じてはいたけど)。これはなるほど感。

上場企業の基幹ビジネスの一つが、他の企業から多数に渡り、そのビジネスに関わる部分で訴訟を起こされたとなれば、株主は、東証はいかなる判断を下すのかなあ。実際に訴訟を起こされなくても、その可能性が多分にあるとなれば、ね。

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このページは、不破雷蔵が2016年12月13日 07:56に書いた記事です。

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